部活ではただのマネージャーと監督

プライベートでは年の差がある恋人

それは私達だけの秘密の関係

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「今日の練習は終わりっ!ストレッチ忘れるなよー」

烏養監督の声でみんながストレッチを始めた

私と潔子先輩は片付けを先に始める

「ボールカゴ持って行って。私はネット外してくる」

潔子先輩の声に大きく返事をすると、転がっているボールを拾い

籠に入れながら倉庫へ向かった

戻ってくるとプレイヤーも片付けや掃除を始めている

私はドリンクボトルを洗いに、体育館から出て水道へ向かった

一年半もマネ業をしているが、潔子先輩には勝てないなと常に思う

手際の良さが違う

人数分のボトルを一つ一つ洗っていると

烏養監督が、ゆっくりとこちらに歩いてきた

ポケットに手を突っ込んでガサガサと何かを探っている

「煙草はだめですよ、監督。校舎を出てからにして下さい。」

目を向けることもなく言うと軽い舌打ちだけが聞こえた

「あー、ニコチン足りねー。」

隣で座り込む監督

私は洗っていたボトルを置き、監督と目線が合うようにしゃがんだ

「…?」

彼は不思議そうに私を見つめた

その油断している顔に、自分の顔を近づけて唇に触れた

チュッと軽く聞こえたリップ音

「……おまえなー…」

唇を離すと、困ったように頭をかく彼が堪らなく愛おしくなった

「好きだよ。繋心」

彼にだけ聞こえるようにそっと囁くと

彼は顔を赤らめて溜息をついた

「ばーか。校内なのに。知らねーぞ」

そう言うと肩を抱き寄せられ、さっきより深く深くキスをした

「………んっ……ふぁっ……」

まだみんなが体育館にいるのに

そう思っていた唯一の理性は

後頭部を押さえつけて、激しく舌を絡ませる彼によって吹き飛ばされた

どのくらいの間触れ合っていたのだろう

気づくと唇は離れていた

「煽ったお前が悪い。煙草の代わりだ。」

そう言うと立ち上がり私に手を差し出してくれた

それに手を重ね、立ち上がると彼の赤く染まる頬がはっきり見えた

「好きだよ。」

もう一度そう伝える

「俺も好きだ。真琴」

ぶっきらぼうだけど、優しいあなたが大好きです


END

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