部活の時の彼はいつも前向きで

頑張っていて

輝いている

でもたまにはこういうのもいいよね


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「みなさん!ハッピーハロウィン!」

私は部室に乗り込み紙袋の中身を広げた

今日は10/31

イタズラされる前に自らお菓子を配ることにしました

「お、気が利くねー。さすがマネ」

着替え中の部室に入り込んだことについては誰も何も言わなかった

私はそれに安堵しつつ

スガ先輩の気が利くねと言う一言にドヤ顔を決め込んだ

「へへーん!好きなの持ってって下さい」

そう得意げに言うと、彼等は既にお菓子を選び始めていた

「翔ちゃんそろそろ帰ろーよ」

私は彼氏にそう声をかけると辺りを見渡した

「あれ?翔ちゃん?」

室内に目的の相手がおらず慌てていると

そこに影山くんが現れた

「日向なら教室に忘れ物取りに行ったぞ」

そう言い、恐らく教室の方であろう方角を指さした

「そっか、わかった!ありがとね、影山くん!」

彼にお礼をすると急いで教室まで向かった


「あれー?おかしいな…」

到着すると彼は机の中を漁っていた

「翔ちゃーん!忘れ物見つかった?」

そう声をかけると、一瞬ぴくりと肩を跳ねさせ

こちらを見て安堵の息をついた

「おどかすなよ真琴」

名前を呼ばれてご機嫌な私は机の方まで向かった

「何探してるの?」

一緒になってしゃがみ込み、机の中を覗いた

「うーん。真琴にお菓子を持ってきててさ。あ、鞄にあったわ」

彼はけろりとそう言うと可愛らしいラッピングのお菓子をこちらに差し出した

「はい!いつも部活ばっかで恋人らしい事出来てないから、こういう事はちゃんとしたくてさ」

笑顔で言われ、きゅーんとなる

「気にしなくていいのに!私も翔ちゃんにお菓子あるよ」

鞄をごそごそ探るとその手を彼に止められた

「んー、いいや。お菓子よりイタズラしたい」

そう言うと顔が近づき、ちゅっと音を立ててキスをされた

「キスがイタズラ?」

その可愛らしい行動にふふっと笑みがこぼれた

そんなイタズラならいつでもしてくれていいのに

そんな事を考えていると彼は急に大人びた顔で言った

「じゃあ、もっとイタズラするよ?」

急に大人びた声に変わり、私は心臓が高鳴った

そして返事をする前に首筋に何度もキスをされた

「しょ、しょ、翔ちゃん…」

私は破裂してしまうんじゃないかってくらい顔に熱を感じ

翔ちゃんを見たけど、彼はどこ吹く風

「イタズラ……もっとする?」

彼はにやりと笑い、そう言うが私は降参しましたと両手を軽く上げた

「今日の翔ちゃん、何か違う…」

照れ隠しにそう言うと、彼も少し照れたように笑った

「最近真琴不足だったから。……大好き」

ぎゅっと抱きしめられ、私もそれに抱きしめ返した

「……私も大好き」

そんなイタズラならいつでもされていい

やっぱり私はそう思うのでした


END
→あとがき




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