蛍ちゃんはいつも冷静で、思ったことは素直に言葉にして

バレーボールが好きで、意外と真面目

そんな蛍ちゃんが大好きなんです


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

お昼休みに一緒にご飯を食べている時でした

「真琴」

彼は珍しく気まずそうに、私の名前を呼んだ

「どうしたの?蛍ちゃん」

にこっと笑って尋ねると、こちらを見ずに彼が答えた

「土曜…なんだけどさ。実は、練習試合が入っちゃって。」

ぽつりぽつりと話し出す蛍ちゃんを見て

今週の土曜日の約束を思い出した

「映画ならいつでも見に行けるよ!また今度にしよう!」

私はちょっとだけ残念な気持ちになってしまったので明るく言う

「うん、ごめん。絶対に埋め合わせするから」

私の頭を撫でて、申し訳なさそうに謝罪する彼を見て

私の中のモヤモヤはすうっと消えた

蛍ちゃんに頭を撫でられるのが大好き

「じゃあ代わりに、練習試合の応援行ってもいい?」

唐突に空いてしまった予定を埋めるかのように尋ねた

本当はお話できなくても良いから蛍ちゃんに会いたいだけ

彼は少し渋った後、一つ溜息をついた

「わかった。いいよ」

その言葉を聞いて自然と笑顔になれた

「蛍ちゃん、大好きだよ」

脈絡も何もないけど

蛍ちゃんを見習って、思った時に思ったことを伝える

それが私の、蛍ちゃんへの愛の示し方

彼はいつも顔を赤くして同じことを言う

「知ってる。でも、場所を考えてよね」

いつも照れて、手の甲を口に当てる癖も

目線を逸らして赤く染まる頬も

言葉に反して優しい声色も

全部全部大好きなんです

きっと蛍ちゃんは、世界に2人きりになっても

同じことを言うだろうなと想像すると共に

“知ってる”というたった一言だけで幸せな気持ちになるんです

ああ、神様

私と蛍ちゃんを出会わせてくれてありがとう

私はいつもそう思うんです





END
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