街灯が少ない為、夜は薄暗い

でも星は良く見えて綺麗だ

そんな空を見上げて一つため息をついた

隣に並んで歩く彼をチラリと見る

告白の返事を待たせている人

彼は優しすぎる

あれ以来、その話題に触れる事は無い

けれど待つことは辛いことだ

彼を悲しませたくないのに

私は彼にかける言葉が未だに見つからない

“吊り橋効果”で返事をしたくなくて

彼には誠実でありたいと願う反面

嫌われたくないと思う

もしかしたら、もう彼に傾いているのかもしれない

けれど返事をしてしまえば

飛雄の事を吹っ切れたと言っているようで

私の心は拒絶をする

いっその事嫌いと言ってくれたら

少しは払拭出来たかもしれないのに

私の“元”彼も優しすぎたのだ

「なあ、明日の祭り。二人で行かないか?」

気づくとこちらを不安気に見つめている彼は

ぽつりとそう言った

「先輩達とは行かないの?」

先程の盛り上がり方からしてそうだと思っていた

「出来れば………二人がいい」

少しずつ頬を染める彼を見て

“私、この人の傍に居たい”

そう唐突に思った

心拍数が上がり私の頬も上気している

もしかしたら、今この瞬間

私は本当に、彼に恋したのかもしれない

なんだかそれが嬉しくて

「私も…勇と二人がいい」

そう答えていた

彼がそっと私の手に触れ、いいのか?と目で確認している

ここ暫く笑えなかった私が、偽りなく笑顔を向けて応えられた

そっと彼の手を握り、見つめ返せば

彼は真っ赤な顔で、逆の手をガッツポーズにした

明日、ちゃんと言おう

アナタが好きです。と――――






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