「ふふ、可愛いよ渡狸v」
「……」

 男が可愛いなんて言われて嬉しいわけあるかバカ! それに俺は不良だっつーの!!
 いつもならそう返しておしまいだけど、今の自分は確かに服だけならその言葉が似合うだろう格好で。
 ……フリルが付いたエプロンとカチューシャ、それに黒いワンピース。いわゆるメイド服だ。

「……残夏、俺にこんなの着せて楽しいか……?」

 休日、オレの部屋に来た残夏に紙袋を渡されて、何かと思えばこんなのだった。
 当然のごとく即座に突き返したが、コイツに似合わない悲しそうな顔をされたら着ないわけにはいかなくて。
 それが嘘なのは分かってるのに絆されて言うとおりにしてしまう俺も俺だけど、渡してくる方もどうかしてると思う。
 しかも文化祭の時のヤツなんかよりずっと丈が短くて、両手で押さえてないと下着が見えそうなシロモノだ。どこで買ってきたんだか。

「んー? 勿論楽しいけど?」
「あ、そう……」

 それはよかったということで着替えてきていいですか?
 と、口に出す前に、腰に回されていた手がふとむき出しのふとももを撫でてきて、思わずびくりと身体が跳ねる。

「お、おい、何してっ」
「いや……可愛い渡狸見てたら興奮してきちゃった☆」
「は、はあああああ!? 今まだ昼間だぞ??!」
「いいじゃん、休みだし……ね?」

 キスされて、抵抗する余裕を奪われてしまえば、腹立たしいことに俺にはもう残夏に身を預けることしかできなかった。



***



「ん、あ、はう……」
「そうやって喘いでると、ホントに女の子みたいだよ?」
「う、うるさ……ひぁっ!」

 服を着たまま、下着だけ脱がされて後ろから突き上げられた。
 動くたびにスカートが擦れて中途半端な刺激が伝わって、この格好を余計意識してしまう。
 おかしくなる。
 残夏の言うとおり、本当に女みたいな気分になってくる。

「ふあ、あっああ! ん、あっ」

 いつもより、声抑えらんない。
 勝手に残夏の動きに合わせて腰も揺れてしまって。

「……可愛いよ、ほんと、大好き」
「ざん、げ……」

 ただ、途中から何も考えられずに、残夏に溺れた。



***



「うわあ……」

 あれからよく覚えてないけど、2ラウンドくらいして。
 ふと我に返ると、いつのまにか脱がされてベッドの片隅に放り投げられていた服がひどいことになっていた。

「どーすんだよコレ……ベトベトになってるぞ? もう着れないんじゃないか?」
「大丈夫、後でクリーニング出しとくし。だからまたしようね、女装で♪」
「んなっ……俺はもう絶対やんないぞ!!」
「つれないなあ。さっきあんなによがっといて……渡狸もいつもより感じてたじゃん」
「だ、黙れ!!」

 手元にあった枕を投げつけて、横を向く。
 冗談じゃない。
 何より、ちょっとだけでも期待してしまった自分が!




End




リクエストありがとうございました!!
女装やっぱり楽しいです(^^)
リクエストされた方のみお持ち帰りOKです。


up:2012/04/07

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