幸せマタニティーライフ

シズイザ♀+セル新

妊婦な臨也と新羅。

臨也と新羅が先天女体化
セルティが先天男体化
砂糖吐くくらいに甘い。
………………………………



幸せマタニティーライフ




「新羅みてみてこれ、可愛いよ。」

「あ、それいいね。産まれたら色違いで買って着せようよ。」

「こっちもかわいいけどまだ男の子か女の子か分かんないからなぁ…」

「こっちならどっちでも大丈夫じゃない?」


ぽかぽかと暖房が程よく効いたリビング。
ベビー雑誌を数冊床に広げてきゃっきゃと楽しそうに雑談する臨也と新羅。二人ともぽこりとお腹が膨らんでいてその腹には命が宿っているれっきとした妊婦である。
臨也は、1ヶ月程まえに折原臨也から正式に平和島臨也となり新婚ほやほやだった。そこに至るまでがいろいろと、それはもう大変だったのだが、落ち着いてしまえば何のその。とても幸せそうな夫婦だ。
情報自体は集めて整理しているが情報屋としての仕事は諸事情ということで休業している臨也はしょっちゅう、同じ妊婦であり友人の新羅のもとへ遊びに来ていた。

静雄との結婚を機に引っ越した平和島夫婦の新居は新羅のマンションから徒歩5分と近い。
臨也が新羅宅に遊びに来ると、夕方に、仕事が終わった静雄が迎えにきて二人仲良く帰っていくのが日常だ。

ちなみに臨也の秘書である波江は静雄と臨也夫婦の隣に部屋を借りて何だかんだで臨也の面倒を見ているらしい。


「しかし臨也、お腹随分大きくなったね。」

「なんかすばらしく育ってるみたいでさ、さすがシズちゃんの子だよね。重くて重くて。」

「そのうちぎっくり腰にでもなりそうだね。」

「本当だよ。さすがシズちゃんの遺伝子引き継いでるよ。毎日ぽこぽこ大暴れ。」

あははと笑った瞬間腹の子がぽこぽこと可愛らしく臨也の腹を蹴だす。それと同時にインターフォンが鳴った。

「いや、もうこれシズちゃんの遺伝子すごすぎない?このシズちゃんが来たのが分かったといわんばかりに暴れてるんだけど。」

「うわぁ、それは是非とも親子共々解剖したいね!」

「やめろ変態。胎教に悪い。」

いそいそとたいして持ってきていなかった荷物をまとめると臨也は帰るため、新羅は見送りのために玄関へと向かう。


「セルティーー!!」

玄関に向かえばこちらが鍵を開ける前に丁度セルティが帰ってきたらしく玄関にはセルティと静雄の二人の姿があった。

『新羅!妊婦なんだから走ったりそんな勢いよく飛び付いたら危ないだろ!』

「ああ、セルティさすがわたしの旦那様!」

ハートが飛び散る勢いでセルティに飛び付いたら新羅をセルティが慌ててたしなめる。そんな二人はほっといて臨也はゆっくりと歩いて静雄のもとへ向かう。

「シズちゃんお疲れさま。」

「おう。ちびは元気だったか?」
「そりゃもう。今もシズちゃんが来たって分かってるみたいだよ。」

すっごく動いてる…とお腹をぽんと軽く叩く臨也。誘われるように静雄がそろりと腹に手を伸ばしてみれば手のひらごしに赤子が臨也の腹を蹴る振動が伝わってきた。
今日も元気そうだなと満足そうに頷くと臨也に靴を履かせ、イチャイチャとくっついている新羅とセルティに軽く声をかけてからマンションを後にした。

静雄が臨也の腰を抱くようにしてゆっくり自宅マンションまでの道を歩けば顔馴染みになりつつある中年主婦のグループに『今日も仲良しねぇ』等と声をかけられる。捕まると話が長いので挨拶もそこそこにその場を抜け出した。

「あ、臨也。弁当ごっそうさん。臨月なんだからあんま無理すんなよ。なんなら夜は俺が作るし。」

「はーい。あ、今日は夜は波江さんが作ってくれたから大丈夫。」

「じゃあ、明日は俺が作る。」

「よろしく、ダーリン!」

「おま、ダーリンって……」

「あれ、ダメだった?じゃぁ…」
たどり着いたマンションでエレベータに乗り込み静雄が階数を押す横で臨也がうーんと考える。


「明日はお願いねしずお。」

これでどうだと、満面の笑顔で静雄を見上げて、愛称でなく呼び捨てする臨也。

「今さら呼び捨てってちょっと…いやかなり恥ずかしいね。」

「……」

「シズちゃん?あれ、固まっちゃっ……」

ちゅ…、と臨也の言葉をさえぎるように静雄が身をかがめて臨也の唇に軽くキスを落とす。静雄からの不意討ちにぽっと頬を染めた臨也。静雄は少しだけ顔を離すともう一回名前で呼べと要求する。
「静雄。」

「臨也……」

再び静雄が臨也の唇を塞ぎ、臨也はうっとりと静雄からのキスを受け入れる。

エレベータが自分たちの階についてドアが開いたのも気にせずキスを続ける。完璧な二人の世界を作り上げていると不意に冷たい声が投げ掛けられる。

「いい加減エレベータから出てくれるかしら?それとイチャイチャするなら部屋に戻ってからにしなさい。この馬鹿夫婦。」

「あ、波江さん。」

「あ、じゃないわよ。全く…夕飯はちょうどできたばっかりだから冷める前に食べるのね。私これから出かけるから。」

ほら、さっさと降りる。とエレベータから二人を追い出すと波江はエレベータに乗り込み階下へと降りていった。
言いたいことだけ言っていなくなった波江にしばらくぽかんとしていた二人だがどちらともなく我に返ると部屋へ帰り波江手製の料理を食べるのだった。




数日後生まれてきた子供は静雄によく似た双子の男児で、『どうりであんなに重かったし、よく動いてたはずだよね』と産後で疲れた果てた臨也が幸せそうに静雄に語り、感極まった静雄が『臨也も子供も俺が幸せするし守るからな!!臨也愛してる一生大事にする!』と大声で宣言し居合わせた助産婦や外にいた親族の前で臨也は真っ赤にけれども幸せそうに、『うん』と頷くのだった。




おわり
…………………………
本当はこのお話しの前に臨也が男装してたりよった勢いで静雄とセックスして結果妊婦となった臨也さんが失踪したりといろいろあるのでいずれ書きたいかと…

ちなみに新羅ちゃんはツインテ童顔眼鏡の白衣っ子。

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