折原先生A
白衣と眼鏡と折原先生の設定です。
先生組の他に帝人くんとかが出ます。
折原先生が相変わらずすっごく猫被り
……美女と野獣と空き教室………
「通行の邪魔なんでどいてくれませんか?平和島センセイ」
ほら生徒達も困ってますよ〜と人好きの良い笑顔を浮かべる化学教師の臨也。
両手には授業で使ったのであろう教材を抱えている。そして臨也の後ろには課題のノートを運ぶ手伝いであろう生徒が三人ほどいる。
そんな臨也の行くてをふさぐように立っているのは眉間にしわを寄せた体育教師の静雄である。
「ほら平和島センセイ。生徒達に重たい荷物持たせたままですし…」
ねっ?と言った臨也に掴みかかる静雄に周りはヒヤヒヤとする。
「何がねっ…だぁあ!!臨也ぁあっ!!!」
「あ……」
衝撃波でも出ているんじゃないかと言う声で叫ぶ静雄に臨也の身体がふらりと傾く。
「折原先生!」
「大丈夫ですか!!」
「ああ、大丈夫だよ。平和島センセイの大声に驚いただけだから」
病弱…と学校では通っている猫被りな臨也に近くにいた生徒達がわらわらと集まる。
当然静雄には折原先生は身体が弱いんですから乱暴しちゃダメですよーと非難の声があがる。
ちなみにこんなやりとりは日常茶飯事である。
学校内で平和島先生は素直になれず大好きな折原先生にかまってほしくて意地悪してるんだぜ、美女と野獣だな…ともっぱらの噂になっている。
「あのなぁ…お前らはとっとと次の授業の用意しやがれっ!!」
メキョッ…と変な音がして静雄の拳が壁にめり込む。
「……ほら君たち俺は平気だから平和島先生が本気でキレる前に行きな?」
自分が生け贄になるからと言わんばかりのオーラで生徒達に言う臨也。
生徒達は臨也を気にしつつ目の前の恐怖の塊である静雄からそそくさと逃げていくのだった。
生徒達が立ち去り二人以外誰も居なくなったことを確認すると臨也はニヤリと笑った。
「シズちゃん、駄目だよ。可愛い生徒達を怯えさせちゃ」
「その原因つくってんのはお前だろーが!」
「きゃー病弱な俺に獰猛な平和島センセイが襲い掛かるー。」
「どの面下げて病弱だぁっ!」
「この面だけど〜」
ケラケラと笑いながら空き教室となっている、いわゆる資材室に入る臨也。
それを追って静雄も資材室へと入る。
資材室にて喧嘩延長戦かと思いきや、静雄は手短な机に腰を降ろすととひょいと臨也の軽い身体を自分の膝を跨ぐように座らせた 。
「シズちゃんここ学校だよ」
「んなの分かってる」
静雄の肩に手を置いて誘うようにクスクスと笑う臨也。
先ほど廊下での不穏な空気は何処へと言わんばかりに今度は甘ったるい空気を作りあげる二人。
てっきり二人っきりと思われた資材室の片隅。窓際の死角となっている場所にその生徒達はいた。
臨也と静雄が授業を受け持っている竜ヶ峰帝人と紀田正臣である。
サボりのために人気もない資材室でのんびりしていた二人はまさかの来訪者に混乱していた。
「き、紀田くんどうしよう」
「いやいやどうしようもないだろこれ」
「てか、あれ平和島先生と折原先生だよね?どうなってるの?」
「んなの俺が聞きたいし!」
いきなり資材室に入ってきたと思ったらこれまたいきなりイチャイチャしだした教師二人。
どう見ても美女が野獣に襲われているわけではない。
サボっている手前逃げることもできずに二人は様子を伺う。
「シズちゃん…」
甘ったるい猫なで声で静雄にすりよる臨也。
静雄はそんな臨也の銀縁の眼鏡を外すと有無を言わさず口付けた。
「……」
「……」
「まさかの平和島先生と折原先生はできてましたってやつかよ…」
「平和島先生片思い説は違ったんだね」
そうして帝人と正臣はしばらくイチャつく教師を観察していたのだが、静雄が臨也のシャツの隙間に手を突っ込み甘い声が上がるといよいよ二人はまずいと気付いた。
「ま、正臣。ななんか今にも始まっちゃいそうなんだけど……」
「帝人、みなまで言うな…今ここで出ていってみろ平和島先生に殺されるぞ」
やつらが去るまでひたすら耐えるしかないという正臣に帝人は気が遠くなりそうだった。
結局帝人と正臣が資材室から出ることができたのは一時間は後であった。
健全な青少年の二人には刺激の強すぎる静雄と臨也のやりとりのせいで二人は暫くこの教師の顔がまともに見れなかったのは言うまでもない。
(今日も平和島先生は折原先生を追っかけ回しています!!)
(けど、そのまま人気のないとこにいっているなんて事実は知りたくなかった!!)
おわれ★
………………………………………
人目を盗んではイチャイチャしている駄目教師×2。
そしてあわれにもその後駄目教師の逢引き現場に鉢合わせる生徒×2。
折原先生は病弱設定をフル活用。実際はそんなに倒れたりもしないのに迫真の演技で日々病弱なふり。本気で倒れるときはきっと人目ないとこです。(笑)
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