家族のススメ
シズイザ♀が夫婦。
サイケ♀とデリックがの二人が子供(4歳)で双子
………………………………………■家族のススメ■
朝は嫁の『あなた、起きて?』という甘い囁きで意識を覚醒させ、おはようのキスを貪ってから潔く起きるのが俺、平和島静雄の日常である。
ふわふわと浮上した意識に今日もそろそろ臨也が起こしにくるころだな…と目を閉じたまま待機する。そうすればキィ…と小さな音を立てて寝室の扉が開かれる。
いつもならそのままスリッパの音を鳴らした臨也が俺のもとにやってくるのだが今日はその気配がない。不思議に思って目をあけるか…と考えればパタパタと可愛らしい音がいつもより速くさらに多いな?と思った時には、ボスン!と2つの塊が俺にダイブしていた。
「ぱーぱ、おきて?」
「とうちゃん、あさ!」
「…サイケ、デリック。おはよう。」
「「おはよう!」」
いつもは俺が会社に行く時間ギリギリに起きてくる双子。珍しいなと思って時計を見れば九時半。
「あーー…、今日、日曜か…」
「なあ、とうちゃんはやく!かあちゃんまってる!!」
「あのね、ごはんおむれつなんだよ、サイケおむれつだいすき!」
「でざーとはぷりんなんだぞ!」
「わかった、わかった、ほら、起きるから。」
ベッドから身体を起こしそのまま双子を抱えあげれば楽しそうにはしゃぐ。途中で洗面所に寄って顔を洗い再びばたばた動く双子を落とさないようしっかり抱えてリビングへと歩いていけば双子の声で気づいた臨也がくるりとこちらを振り替える。
「おはよう、シズちゃん。」
ああ、白いエプロンと笑顔が最高に眩しい。流石俺の嫁。
「おはよう、臨也。」
「ん、…。」
「あー、とうちゃんズルい!!」
「サイケも!サイケもちゅー!」
双子を抱えたまま身をかがめて臨也におはようのキスをすれば双子がぐいぐいと服をひっぱって暴れるので柔らかい頬に俺と臨也がそれぞれキスしてやる。
「おくちにはちゅーしないの?」
「とうちゃんとかぁちゃんはくちでちゅーした!」
何で?何で?とユニゾンする双子。口は臨也専用だからお前らは頬っぺで我慢しろと言えばどうして?とまた首を傾げられた。
その様子をクスクスと楽しそうに見守っていた臨也が俺の腕からおとなしくしていたサイケを抱き上げる。
「あのね、お口でのチューは特別に大好きな人とするものなの。ママはサイケとデリックが大好きだけどパパの好きは特別なの。」
サイケ達がママやパパを好きっていうのとは違う好きだよ。と臨也が言い聞かせれば双子は真剣に聞き入る。俺はといえば臨也のパパは特別発言にだらしなく顔を緩めていた。
「じゃあ、サイケはつがるだいすきだからつがるとちゅーする!」
「「!!?」」
「サイケは津軽が本当に好きだね〜。」
「だいすきー!あのね、サイケはつがるのおよめさんになるんだよ。つがるとやくそくしたの!」
な、な、なんだと!?そんな、大事な娘が結婚なんて俺はまだまだ許さねぇぞ。いくら津軽がサイケのはとこでお兄さんでも許さねぇぞ!!
そう思っていたのはデリックも同じのようだ。
「サイケはおれのおよめさんになればいいだろ!」
「きょうだいはけっこんできないってテレビでやってたよ?」
「うっ……。」
「あーほらほら、シズちゃんもデリックも親子そろって津軽に嫉妬しないの。」
クスクスと笑いながら臨也はサイケを椅子に座らせ、冷める前に朝食をとるよう促す。
朝食のオムレツはフワフワとろとろの絶品でデザートのプリンーも文句無しにうまかった。
午後からは双子を遊びに連れていってやると行ったら『からおけがいい!』とねだられたので近所のカラオケに連れていってやった。俺がカラオケで双子をみている間に臨也は双子を連れていくと魔の巣窟にしかならないデパートに買い物に行った。
歌詞の意味がわかってるかはさておき、双子は4歳児にしては立派すぎる歌唱力を披露した。最近流行りのポップスばかり歌っていて少しませてるな…と思いきや子供らしく二人でメ〇リさんのひつじを歌ったりして我が子ながらアイドル性抜群だ。
退出時間がそろそろかと携帯で時間を確認すれば臨也からメールが来ていた。
「デリック、サイケ。そろそろ出るぞ。」
「えー。サイケまだうたいたい。」
「まだうたいたりねぇよ。」
「臨也…母さんがパフェ食べようって言ってるけどいらないんだな。」
「ぱふぇ!サイケいちごがたぁーくさんのがいい!」
「おれも!いちごとチョコがたくさんのくいたい!」
「パパはやくはやく!」
「おぅ、じゃあ出るか。」
臨也から『買い物終わったから、パフェでも食べてかない?ついでに買いすぎちゃって荷物重いから迎えに来て★』と大量の荷物の写メ付きのメールに今から行くと返信しカラオケボックスを後にした。
「子持ち?またまたぁ〜」
「お姉さん冗談うまいね。」
「お姉さん美人だから俺たちおごっちゃうよ〜」
待ち合わせ場所に行けばベンチに腰掛けた臨也が三人の男に囲まれていた。その光景に標識を引っ込抜いてぶん投げてやりたかったが、チョロチョロする双子を両腕に抱えていたのでそれはできなかった。
「かあちゃん!」
「ママだぁ!!」
「ちょ、お前ら暴れんな!ってコラ、サイケ!!」
「ママぁあー!!」
臨也を見つけた双子がばたばたと暴れ力の強いデリックの方を押さえようと意識したらその隙にサイケがするりと抜け出して臨也の方にかけていった。
「サイケ?」
「ママ!」
「え、まじで子持ち?」
「おぉ、そっくり…。」
「これでわかったでしょ。私は子供いるし十分間に合ってるの!」
足元にしがみついたサイケを撫でながらうんざりしたように男達に言う臨也。そこで引くかと思ったがやつらは引かなかった。
「俺、お姉さんなら子持ちでも全然いいわ。」
「二人とも大歓迎!」
「てか、俺幼女も有りだな。」
さすがにこれには我慢できなかったのでデリックを降ろし指をバキバキ鳴らしながら近づく。
しかも幼女有りって奴、すりおろしていいか?
デリックも臨也に駆け寄り男達がひるんだところで一人の肩に手を掛け骨を砕かない程度に力をこめてやった。
「いってぇぇえええ!!?」
「シズちゃん!」
「てめぇ、急に何するんだよ!」
「そういうお前達は人の嫁に何してんだ?ああ!?」
「ひぃぃっ!!」
俺の睨みに危険を察知した男達がそそくさと逃げ出す。
ちっ、すりおろしてやるつもりだったのに…。
「さすがシズちゃん…。」
「とうちゃんすっげぇえ!カッコイイ!」
「パパ、カッコイイ!」
まあ、臨也はうっとりしてるし双子もキラキラしてっからいいか。
「シズちゃん!助けくれてありがとう。」
「ばぁーか、当たり前だろ。お前は俺の嫁なんだからな。」
「サイケは?サイケはー?」
「俺も!俺は!とうちゃん!」
「お前たちは俺の大事な子供だ!」
「わーい!」
「かあちゃん、パフェは!」
「はいはい、わかったから、シズちゃん行こう?」
「ああ。」
サイケを左手で抱き上げ、右手は臨也とつなぎ、デリックは臨也と手をつなぎ家族仲良くパフェを食いに行くべく歩きだす。
今日も平和島家は幸せだ
END
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主催企画
幸せシズイザ家族計画提出
月島くんとろっぴちゃん夫婦の子供津軽くんと日々也ちゃんもそのうち絡めて続編書きたいですね。
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[mokuji]
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