「Hey!How have you been?(久しぶりだな)」

『火神くん、お久しぶりです』

「大我、英語になってる!」

「あ、悪ィ。最近英語ばっかだったから、つい」

『香苗さんも、お元気そうでなによりです』

画面越しに、懐かしい顔が見える。
コイツらとビデオチャットをするのも久々だ。

「はろー!キセキのみんな、元気?」

『香苗っちー!しばらく見ない間に随分大人っぽくなったっスね!俺も、みんなもこの通り元気っスよ』

黄瀬が、全員の顔が見えるようにカメラを動かしたようだった。

紫原は相変わらず菓子を食ってるし、緑間は訳わかんねー置物を持っている。
青峰は興味なさげにあくびしてるし、赤司は穏やかな笑みを浮かべている(ように見える)。
黄瀬は相変わらずうるせーし、黒子は冷静にツッコミを入れている。

日本にいた時と変わらない光景が懐かしくて、思わず口が緩む。
隣にいる香苗の顔を見ると、嬉しそうにはしゃいでいた。

帝光中バスケ部でマネージャーをしていたコイツは、俺よりもキセキの世代と過ごした時間の方が長い。

ちょっと面白くねぇなと思うこともあるが、今は俺の隣にいるから問題ない。

『そういえば香苗っちは英語喋れるようになったんスか?何か喋ってよ!』

「おっけー!あいむ香苗!はうずいっとごーいん?あいむはんぐりーなーう!」

『………カタカナに聞こえるのですが、気のせいでしょうか?』

「黒子くんひどい!英語は苦手だけど、これでも頑張ってるんだよ?」

間延びした発音は、確かにカタカナに聞こえる。
でも、最初に比べるとかなり喋れるようになったし、アメリカ人とも意思の疎通ができているし、それにー…

「あー…まぁ、でもコイツ、たまにネイティヴみたいな発音するんだよ。darlingの発音は完璧だしよ」

俺がそう言うと、やかましかった画面の向こうが急に静かになった。

『火神テメェ……香苗に自分のことダーリンって呼ばせてんのかよ……引くわ』

「なっ……!!!」

青峰の指摘に、顔が熱くなる。

「べっ、別にいいじゃねぇか!こっちだと普通なんだよ!」

焦った俺は香苗に視線を送るが、香苗はツボに入ったのか腹をかかえてケラケラ笑っている。

その後、からかわれながらもお互いの近況報告をして、黒子に『また一緒にバスケをするのを楽しみにしてますよ、ダーリン』と言われ、チャットを切った。

相変わらず香苗は笑っている。


「……そんなに笑ってんじゃねーよ!」

「あっはは……ごめん、ごめんってば。怒らないで?ね、大我」

「……ん」


ちゅ。とリップ音を鳴らし、香苗が俺の唇の横にキスをした。

そんなんじゃ物足りなくて、頭に手を添えて香苗唇に噛み付く。

僅かな隙間から漏れる吐息も逃さないように深く、深く。


「…ぁ、……ふ……っ……ん………はっ、はぁ、はぁ……も…ぉ!」


名残惜しげに唇を解放すると、香苗は顔を真っ赤にして、潤んだ瞳を揺らしながら、少し怒った表情を浮かべた。
そんな顔しても逆効果だと、何度伝えれば分かるんだろうな。


「Are you ready,honey?(覚悟はいいか、ハニー?)」


Noとは言わせない。

2017/08/03
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