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「え?」
首の無くなった鬼達が崩れ落ちる。遅れてグチャッと嫌な音を立て、鬼達の首が落ちた。
突然の事態に動けない妹子に一体の鬼が突進する。気づいた時にはもう遅く、妹子は鬼のタックルをまともに受けて吹っ飛んだ。
「まずっ……!太子!」
負傷して動けない太子に大量の鬼が襲い掛かる。妹子が痺れの走る腕を動かして風属性の魔法を放とうとしたその時、妹子の後方から突如伸びてきた糸のようなものが鬼達の首を絡め取った。
(あれは……鋼糸?)
血飛沫が散る。
あれだけ大量にいた鬼達の首が一人残らず刈り取られる。
思考が追いつかない妹子の後ろから、聞き覚えのある声が聞こえた。
「大丈夫ですか?妹子さん」
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