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チラリと太子を見る。顔を歪めている太子の背中の傷はかなり深かったらしく、地面にできた血溜まりが妹子の足を濡らしていた。

【身体強化】はまだ生きているものの、無敵と言うわけではない。再度男の攻撃を喰らえば次はないだろう。


(ーーーーどうする)


周囲の敵を警戒しながら妹子は思考を巡らせる。


妹子は回復魔法以外の支援魔法は使えない。つまりバリアを張って太子を守ることも出来ない。

周囲の敵を倒そうにも範囲魔法を使えば太子にもダメージがいってしまう。

かといって地道に倒していくと量が多い上に、その隙にあの男や他の鬼達が太子に襲いかかる可能性がある。


「どうすれば……」


絶望的な状況に歯噛みしたその時、二人を取り囲んでいた一部の鬼達の首が飛んだ。

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