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「本当になんでも揃ってるねー。小さめのコンビニみたい」

「そうですね」


キョロキョロと商品棚を見ながら歩いていると、奥の方にCDコーナーを見つけた。


「わっ、曽良!CDコーナーまであるよ!行ってみようよ!」

「わかりましたから引っ張らないでください鬱陶しいです」


曽良の暴言を無視してCDコーナーの前に立つ。どうやら軽音楽部や吹奏楽部が出したCDを安値で売っているらしい。中には放送部のドラマCDなどもあった。


「わー、生徒が出したCDだって!いっぱいあるよ!」

「この学校の音楽部は随分と活発に活動しているんですね」


カバー曲からオリジナル曲までなんでもアリだ。適当に一枚取り裏を見ると【二次配布禁止!】と書かれていた。かなり徹底されている。


「……なんですこれは?」


怪訝な顔をした曽良が一枚のCDを手に取った。アルバム名は【爆発☆ダイナマイト】。なんだそれは。


「凄いタイトルだね…。誰が作ったんだろ?」

「【Teachers】……この学園の教師のようですね。去年に発売されています」

「去年ってことは今の先生もいるかもしれないね」


曽良からCDを受け取り裏を見る。どうやら伴奏は軽音楽部らしい。十数曲の曲名の下に、ボーカルメンバーが表記されていた。


「竹中黒斗…阿部清晴…アイザック・ニュートン…タウンゼント・ハリス……あっ、芭蕉先生も歌ってるよ!ほら!」

「本当ですね。あのジジイの腐った歌声で皆さんに迷惑をかけていなければいいんですが…」

「そういうこと言わないの!それにメンバーに入ってるってことは結構上手いんじゃないの?」


このアルバムの表題曲、【爆発☆ダイナマイト】は去年の文化祭の時に演奏された曲らしい。今度太子達に感想を聞いてみようか……。


「……どうでしょうね」


呆れるようにCDを見ながらも棚に戻そうとはしない曽良。


「あれ?買うのそれ?」

「気になりますからね。あのジジイの醜態が」

「そんな目的で……?」


ま、まぁ買うものは人それぞれだからね。

僕は苦笑いでCDコーナーから立ち去る曽良を追いかけた。

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