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「ーーー今日はこれで終わりだ。残りの時間は自習をしてなさい。何か質問がある者は私のところへ来るといい。以上」
馬子先生がそう言ったと同時にガヤガヤと騒がしくなる教室。授業が少し早く終わったことに喜びながら、僕は「んーっ」と伸びをした
「いーもこっ」
「んぁ?」
後ろから声を掛けられる。振り向くと後ろの席のワトソン君が楽しそうな顔で僕にシャーペンを向けていた。
「んぁ?ってお前……。まあいいや。あのさ、昼飯食べた後購買部行かないか?シャー芯無くなっちゃったから買いたいんだよ」
「購買部?そういえばまだ行ったことないなぁ」
入学して一ヶ月が過ぎたが今だに購買部に行ったことはなかった。中学時代にはなかったものだから存在を忘れていたが……行ってみたい。
「ど?初めてならどんなのか見に行ってもいいんじゃない?」
「そうだね。じゃあ僕も行くよ。あ、でも昼ご飯食べた後なんだよね?曽良も誘っていい?」
僕の言葉にワトソン君の口がピクリと引きつった。
「河合か……あいつちょっと怖いんだけど……」
「話せば普通だよ。たまにチョップされるけど」
「チョップされんの!?」
「大丈夫だよ!あんなオーラ出してるけどいい人だから!」
「お前それ何気に失礼だぞ……。でも確かに話してみたら意外とってこともあるし……うん、いいよ!」
少し悩んだ末に出たYesの答えに喜ぶ。
「やった!ありがとワトソン君!」
「いや、僕も友達は沢山欲しいからな。これを機に色々話してみるよ」
「うん、それがいいよ。じゃあ曽良にも言っとくね!」
「ん。妹子、ありがとな」
「ううん。僕も興味湧いたし、昼休みが楽しみだよ」
「ワトソン、小野。自習しろ」
ずっと後ろを向いて話していたせいで注意されてしまった。体を前に向けながら新たな予定に口元が緩む。購買部かぁ……どんなのなんだろ?
昼休みが待ち遠しくて、結局その後の授業はあまり手につかなかった。
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