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「ぅ……ん……」
薄っすらと目を開ける。差し込んでくる眩しい光に目を細めた。
「あ、妹っこ起きたー?」
「閻魔……先輩?」
重い首を少し動かして閻魔先輩を見る。何でニヤニヤしてるんだこの人は。
「ね、まだ自分の状況に気がつかないの?」
「へ……?」
「いい加減にどきなさい。足が痺れてるんです」
上から降ってくる曽良の声。ん?『どきなさい』?そういえば後頭部に何やら柔らかくて温かいものが……。
のっそりと頭を上げてそれが何かを確認する。確認した途端、一気に脳が覚醒した。
「うわぁぁぁ!?」
「うるさいです。被害者は僕の方ですよ」
あろうことか、曽良の膝を枕にして寝てしまっていたらしい。慌てて時計を確認する。七時!?一時間近くこの体制で寝てしまったのか僕は!?
「ごごごごごめん曽良!」
「許しません、と言いたいところですが僕も鬼ではありません。食堂のチョコパフェ一つでチャラにしてあげましょう」
「うう…本当ごめんね。ありがとう……」
なぜ礼を言ってしまったのかはわからないが断罪されなくて良かった。
「ちゃんと寝ないとダメだぞー。寝不足はお肌の大敵だからな!」
「女子かあんたは!っていうか太子だって寝てたじゃないですか。僕は被害者ですよ」
だから自分のほっぺたを触るのはやめろ。
「だって最新のゲームが面白かったから……つい」
「僕と同じ言い訳をしないで下さい」
「同レベルですね」
えー……太子と同レベルなんて嫌なんだが。
「とにかくもう下校時刻だから帰ろうか」
「そうですね。河合君と小野君、また遊びに来てね」
そう言ってにこやかに手を振るヒュースケン会長。
「はい。ありがとうございます」
「機会があれば、また」
そっけない返答の曽良も、それなりに楽しかったのかな?雰囲気が柔らかい。
「じゃあお疲れ皆!会長と先生もお疲れ様!」
「「「お疲れ様ー!」」」
「「「お疲れ様でした」」」
僕の先輩達は自由奔放で適当なことも多いけどーーーーー
「またな!妹子!」
それでも、僕はそんな彼らが大好きです。
【天真爛漫 自由奔放?】
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