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ふと先輩達を見ると、太子が閻魔先輩にもたれて眠っていた。閻魔先輩がクスクス笑いながら太子の頬をつねったりしている。鬼男先輩は隣でその光景を微笑ましそうに見ていた。
ヒュースケン会長は芭蕉先生と談笑している。どうやら俳句について話しているらしい。趣味が合うのかな?
にしても太子かなり眠かったんだなぁ。ラプンツェにいた時も立ったまま寝てたし。いい加減にゲームをやめさせた方がいいだろうか。
「ん……」
気持ち良さそうに眠る太子を見ていると、なんだか僕まで眠くなって来てしまった。でももうあと一時間くらいで帰らなきゃいけないし起きなきゃーーーーーーー
そう思っているのに目が開かない。身体が重くなり、ズルズルと横に倒れた。頭に何か柔らかいものが当たったけど確認する気力もなかった。
「ーーー妹子?ちょっ、止めなさい!妹子!い…こ!……」
曽良が何か言ってるけどよく聞こえない。もう駄目だ………
「おや…す…み……」
小さくそう言って、僕の意識は沈んだ。
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