12


曽良と閻魔先輩が戻って来たのはその三分後だった。

一箱だけ持っている閻魔に対して曽良は二箱も持っている。曽良……どんだけ買ってんのさ。


「お待たせしました」

「おー……あ、そら。これはい」


眠気に呂律の回っていない太子が曽良の分の箱を差し出す。しかし曽良は自分の手元を見て少し困ったように言った。


「すみませんがこれ以上は持てません。かと言ってそんな状態の聖屋先輩に持たせて落とされてもかないませんし……そうですね、芭蕉さん、持ってて下さい」

「なんで命令形なの!?私先生だよー……?」

「それが何か関係ありますか?」

「ないですごめんなさい!持ちます!」

「ありがとうございます」


眠気でぼーっとしている太子から泣き出しそうな顔で箱を受け取る芭蕉先生。


「じゃあ戻りましょうか。ヒュースケン会長も生徒会室で首を長くして待ってるでしょう」


鬼男先輩の言葉に芭蕉先生が申し訳なさそうに眉を下げた。

「そうだね。怒ってなければいいけど……」

「一応連絡してあるので大丈夫ですよ。大王、さっきから何も喋っていませんが気分でも悪いんですか?」


鬼男先輩が閻魔先輩の顔を覗き込む。閻魔先輩は俯かせていた顔をバッと上げると大声で言った。


「ヒュースケン会長に頼まれてた書類まだ出来てない!どうしよう鬼男君!俺殺されちゃうよぉ……」


今にも泣きそうな顔で叫ぶ閻魔先輩に鬼男先輩が固まった。

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