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「着いたー!」

「うわ、やっぱめっちゃ人いるなー」


店内は沢山の女性客で混みあっていて、うちの学校の生徒も何人か紛れ込んでいるのが見えた。

ショーケースを覗き込み、何を食べようか考える。曽良がモンブランモンブランって連呼するから僕もモンブランを食べたくなってきた……。

横を見ると曽良が太子と閻魔先輩に買って欲しいケーキを注文していた。すごい……遠慮ないな。

鬼男先輩も何を食べようか迷っているらしく、ショーケースの中のケーキと睨めっこしていた。


「んー…何にしようかな……」

「妹子、決まったか?」


むー、とモンブランと他のケーキを見比べ考えていると、太子が声をかけてきた。どうやらもう買う物は決定したらしく、財布を持って並ぼうとしているようだった。


「いえ…まだ決まってません。モンブランも食べたいけど他のケーキも食べたくて」


生憎今の金銭状態では一個が限界だ。


「なら丁度いいな。私がモンブランを買ってやるから妹子は他のを選べ」

「えっ!いや、いいですよ。自分で買います」

「いーからいーから。曽良に買ってやってお前に買ってやらないのも不公平だろう?新入祝いとでも思って受け取ってくれ」


うっ…そう言われると断りづらいじゃないか。


「……じゃあ、ありがたくいただきます」

「ん。じゃあ私買ってくるから自分が買うやつ選んどけ」

「はい。ありがとうございます」


ぺこりと頭を下げる。太子はそんな僕を見て満足そうに笑うと列に並びに行った。


「んー…何にしようかな?」


じーっと並べられたケーキ達を見る。すると、一つのケーキが目に留まった。

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