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「おまたせー!ごめんね、提出物貰ってたら遅くなっちゃって」
一戦目のババ抜きを勝利で終えた時、芭蕉先生が申し訳なさそうにやって来た。
「遅いです芭蕉さん。前から放課後の提出は受け付けるなと言っているでしょう」
「だって折角持って来てくれたんだし……見ないのも悪いと思って」
「ったく、これだからあなたは……」
呆れたように溜め息を吐き、持っていたジョーカーを机に放り投げる曽良。
「まっ、芭蕉せんせーも来たことだしそろそろ行くか?太子、終わった?」
「ちょーど終わった!」
「よっしゃ!じゃあ行くぞてめえらー!」
「おー!」
閻魔先輩と太子が鞄を持ってダッシュで生徒会室から出て行く。
「あー……行っちゃいましたよ、鬼男先輩」
「どうせ寂しくなってその辺で止まってるよ。じゃあ僕らも行こうか。芭蕉さん大丈夫?」
「うん、大丈夫だよー。曽良君と妹子君は?」
「大丈夫です」
「大丈夫です。行きますよ、芭蕉さん」
「ちょっ!そ、曽良君引っ張らんといてー!」
芭蕉先生の手を取り、スタスタと出て行ってしまう曽良。そんなに早くケーキが食べたいのか……。
「さて、僕らも行こうか。妹子、そこの鍵取ってくれる?」
「鍵?……ああ、これですね。どうぞ」
机に置いてあった鍵を鬼男先輩に渡す。
「ありがとー。じゃあ行こっか」
「はい」
鞄を持って生徒会室を出る。鬼男先輩が鍵を閉めたのを確認して階段を下ると、一階に続く踊り場で四人が待っていた。
「あ、やっと来たー。遅いぞ鬼男君!」
「遅いぞ妹子ー!」
「あんた達が勝手に出てったんでしょうが」
「太子のスピードが早いんですよ。あと抱きつくな離れろ!」
ぴょーんとカエルのように抱きついて来た太子を引き剥がす。太子が拗ねたように唇を尖らせているがそんなものは無視だ。
「皆さん、いつまで踊り場で戯れているつもりですか?行きますよ」
いつの間にか階段の下にいた曽良が僕達を見上げて声をかけた。まだ芭蕉先生と手繋いでるし……。
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