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見ると、雑談をしていたクラスメイト達も皆廊下を覗いている。何かあるんだろうか?


「なんだろう?」

「さぁ?とにかくモンブランをーーーー」


曽良がそこまで言った時、さっきまで騒がしかった廊下が一層騒がしくなった。


「なんだぁ?」

「チッ……。うるさくて美味しく食べられません。屋上へ行ってきます」

「あ、ちょっと!僕も行くよ!」


モンブランを持って教室を出て行こうとする曽良の後を慌てて追う。

曽良に続いて教室を出ると、廊下の奥に嫌なものが見えた。急いで顔を背けるも、もう遅い。


「妹子!曽良!」

「なぜあんたがここにいるんでしょうねぇ……太子?」


ゆっくりと振り向く。廊下の奥から満面の笑みでブンブンと手を振る太子の姿が見え、僕は頭が痛くなった。

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