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「あれはなんですか?戦車みたいな形してますけど…」

「ああ、あれはハリス先生注文の品だよ。なんかインパクトのあるものを作って欲しいって」

「注文?依頼が出来るんですか?」

「うん。便利なアイテムから演劇部が使うロボットや戦車まで幅広く受けてるよ。まぁ流石に法に触れるものは無理だけどね」


天霧書記の言葉に目を丸くする。依頼を受けていることにも驚きだが、そんなものを作れる先輩達にも驚きだった。戦車って……費用どうなってんだ。


「色んな教師や部活からの依頼受けてるおかげで部費は学園で一番多く貰ってるんだぞー。まぁ俺が采配したんだけど」


得意気に笑う神宮会計。確かにこんだけ生徒会が集まれば部費なんて自由に動かせるよな。破格の部費相応の功績もあるみたいだし。


「皆そんなに凄いものを作れるんですか?」

「いや、依頼の品を作ってるのは今のとこ俺達だけだ。毎年三年生の先輩達が卒業する前に依頼専用のメンバーを選抜するんだ。それに去年は俺達が選ばれたってわけ」


部費を使ってる以上中途半端な物は作れないからなーとケラケラ笑う聖屋副会長は僕達が来たのがとても嬉しいらしい。
さっきから曽良の頭をポンポン叩いているせいで、曽良の機嫌がどんどん悪く……。


「聖屋副会長…そろそろ叩くのやめた方が……」

「太子って呼んで」

「はい?」


唐突な要求に固まる。聖屋副会長は先ほどの笑顔から一変して、不満気にぷくーっと頬を膨らましていた。


「聖屋副会長じゃなくて太子って呼んでくれ。距離置かれてるみたいでヤダ」


んな子供な……。


「じゃあ……太子先輩?」

「先輩いらない。太子でいい」

「それは流石に……」

「おーねーがーいー。私も妹子って呼ぶから!」

「だからって……」

「副会長命令ー」


唇を尖らせ権力を振りかざす聖屋副会長。副会長って呼ばれるの嫌ってるくせに都合のいい……。


「はぁ……わかりました。太子、これでいいでしょう?」

「おうっ!これからよろしくな、妹子!」


まだ入ると決まったわけじゃないけどな。

そしてそんなに曽良の頭を叩かないで欲しい。顔には出てないけど纏ってるオーラかなり黒くなってるから。

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