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「よく捕まえられたね曽良」

「闇雲に手を伸ばすのではなく、考えて先読みなさい」

「捕まえてくれてありがとー!テストしてたら暴走して止まらなくなっちゃって!」


曽良からミニチュアカーを受け取りニカッと笑う男性の顔を見て、僕は目を見開いた。


「神宮会計!?」


ずっと走ってきたらしく、汗だくの神宮会計。しかし息切れしている様子はないのを見ると、かなり体力があるらしい。


「お、知ってるんだ俺のこと。君達は一年生かな?」

「あ、はい。一年B組の小野妹子です」

「1-Cの河合曽良です」

「妹っこに曽良っちねー。了解了解ー。ね、俺達の部活見に来ない?それとももう入っちゃった?」

「はい!?っていうか妹っこって…」

「どうなのー?」


笑顔なのに有無を言わさぬ迫力に思わずたじろぐ。


「入ってないです……」

「君はー?」

「入ってません」

「じゃあ決まりだね!早速部室へレッツゴー!」


神宮会計は僕達の襟をガシッと掴むと猛スピードで走り出した。


「ちょっ…!?じ、神宮会計どこの部なんですか!?」

「技術部ー!!」

「ぎじゅっ…!?とりあえず……離せぇぇぇぇぇ!」

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