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十一個目の部活を周り終えた僕達は文化棟の二階の廊下に立っていた。


「だいぶ周ったねー。あと周ってないところはーーーーー」


そこまで言ったところで、前方から小さな音が聞こえた。言葉を止めて耳を澄ませる。


「妹子?どうしたんでーーーー」


言葉を切った僕を訝しげに見た曽良も音に気づいたらしく、目を細めて前方を見た。



ギュイーーーーーーン……



「何の音?」

「妹子、あれ」


何かに気づいた曽良が前方を指差した。目を凝らして見ると、何かが凄いスピードで迫ってくるのが見えた。


「あれは……車?」

「車ですね。ミニチュアカーと言われるものでしょうか」


音を立てて迫ってくる白いミニチュアカー。誰が操作してるんだ?っていうか操作できるのか?あれ。


ミニチュアカーが僕達の目の前に止まった時、廊下の奥から誰かが走ってきた。


「そいつ捕まえてー!」

「ええっ!?」


そいつ、というとこのミニチュアカーだろうか?とりあえず捕まえようと手を伸ばした時、ミニチュアカーが再び動き出した。


「うわっ!」


先程と違って変則的な動きをするミニチュアカーに必死に手を伸ばすが捕まらない。


「っつ、捕まらないっ!」

「馬鹿ですかあんたは」


ヒョイとミニチュアカーが持ち上げられる。ミニチュアカーを追うように上を見ると、呆れた様にこちらを見る曽良の姿が。

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