0825更新『melancholy』より天邪鬼サンジが頑張って御礼を言うようです。









「サンジって可愛いよね」

いつも通り釣りに飽きて飲み物を取りに来たかと思えば、カウンター越しに突然放たれた言葉に夕食の下拵えをしていた手が止まった。

包丁をコトリと置いてギギギ・と不自然な動作で振り向く。

「……は、あ……?」
「うわ、ごめん、男の人に可愛いは禁句か」

別に。いや、別に。こいつに褒められるなら可愛いでも格好良いでもバカでもアホでも何でも良いんだが。

何を唐突に――。

「鼻唄混じりに料理してるところとか」
「!」
「直ぐに顔赤くするところとか……割と照れ屋なのかなって思うし」

そりゃあ、お前が好きだからで。お前を目の前にして心中穏やかな訳があるかよ。ナミさんやロビンちゃんも好きだが、ソレとは違うんだ。

「う、るせェな、揶揄ってンなら出て行け、忙しいんだこっちは」

いや、嘘。出て行かねェでくれ。忙しいのは俺の頭の中と心臓だけだから。

「揶揄ってないよ!」

慌てて否定する姿は本当に天然記念物。

「あとね、たまに吃るのも可愛い」

私が男でサンジが女だったら惚れちゃうかもな〜!なんて爆弾発言を放ってはにかむコイツは、史上最強に可愛い天使で憎らしい小悪魔だ。

何も分かっちゃいねェ……クソ!

鼻血を我慢した代わりにしゃがみ込んで吐血した俺の心情は誰も知らない。

「あ、ありがと……」
「え?」
「何でもねェよ!クソチビ!バカ!アホ!」









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