なんて静かなクリスマスの夜。

騒音も聞こえない程の高層マンションの一室で、綺麗な夜景を見下ろしながら、二人ワイングラスを傾けている。

―――と言うと、ああなんてロマンチックなのだろうかと、女子たちはきゅんきゅんするシチュエーションに聞こえるかもしれないが、残念ながら実際はそうではない。



「ら、らから〜・・・ち、千景ってば、聞いてる!?」

「・・・・・・いつからだ」

「はいぃ?」

「いつからその様に酒が弱くなった」

「えー?弱く・・・ひっく・・・ないし、ていうか、ワイン・・・3本あけて普通で居れる千景が、どうか・・・ひっ・・・どうかしてる・・・」


楽しいの、彼と一緒にいれるだけで、幸せなの。

だから、彼のペースに合わせて私もワインをのみ続けてるだけ。



「―――あ、れ?」

お酒の力って本当に怖い。いつの間に眠っていたのだろう。

しかし、ベッドに来た記憶なんてないってことは、千景がここまで運んでくれたのか。

その彼は何処にいるだろうかと、むくりと体を起こせば、すぅ、と隣で寝息をたてていた。


髪の色も、透き通るような肌の色も、目鼻立ちも。

ああ、なんて綺麗。

思わず、触れてしまいたくなる―――


「わっ・・・」

「目が覚めたか・・・」

「千景・・・、な、なにっ!?」

ベッドの上で、ふわりと私を抱きしめた彼は「黙っていろ」としばらくそのまま。

眠るわけでもなく、ただ、じっとお互いの鼓動を感じているだけ。

だけ、なんだけど、とてつもなく幸せだと感じられるのは、どういうことだろう。

そのまま彼が、額に、まぶたに、順番に落としてくれたキスが唇にたどり着くと、これまた偉そうに言うんだ。



「一生、俺の腕の中にいると誓え」



***採用させていただきました***
“何も言わずにただ抱きしめて欲しい…。”
っはー風間さん難しい!!すみません、こんなんでいかがでしょう(^^;)
この度はご協力頂きありがとうございましたっ!!



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