**総司編**
「・・・・・・」
自分の靴箱を開けたら、チョコレートの箱が入っていた。
けれど、今朝一通りチョコレートをもらったし、昼休みも・・・・・・これ以上僕に渡そうとする子なんていないだろう。
これは、もしかしてもしかしなくても、誰かの仕返しなんだろうか。
仕掛け人に同じ方法で仕返しするなんていい度胸だよね。
「・・・あれ、中身入ってる?」
空箱だと思っていたそれは、本当に誰かが僕にチョコレートを渡そうとしたものだということなんだろうか。
確かに、こんなに丁寧にラッピングされてるし、そう思う方が自然かも知れない。
リボンを解いて箱を開けると、裏返しになっているカード。
「何・・・・・・」
“斎藤 一”
「・・・・・・っ!!!?」
ちょっと待て、一旦落ち着こう。
・・・何ドキドキしてるんだろう、僕。
もう一度カードを見ても、確かに書かれているのは一君の字で、一君の名前だ。
「えっと、これはつまり、そういうこと・・・?」
今朝からかった一君の様子を思い出してみれば、妙に納得をしてしまう。
ただ、一君がこれを用意したって言うところが・・・・・・
「・・・かっ・・・・・・可愛い」
にやけてしまう頬を抑えながら、僕はそわそわと部活に向かった。
一君になんて言おう。
END
**おまけ**
「ああ、斎藤君。お呼び立てして申し訳ありません。一つお願いしたいことが・・・」
「はい」
「このカードにただ名前を書いていただくだけで良いのです」
(全ての黒幕は山南さんでした、というオチ・・・!くだらない企画にお付き合いありがとうございました!)
back