サークルのクリスマス会。
近所に住んでいる私は終電なんてないから、閉店するまで居座ってしまった。
お酒はほとんど飲んだことがないから加減がまだわからないし、酔っ払うってその感覚も正直、あんまりよく分かっていない。
「・・・・・・あれ?」
おかしいな、私、ちゃんと地面に立っているだろうか。
「大丈夫か?」
「んー・・・平気だよ?烝くん心配しすぎー。あははは」
「まったく、君って人は・・・」
「え?なあにー?聞こえない!」
「ほら」
座敷からおりて靴を履いていた私の目の前に、彼がしゃがみこんで背中をこちらへ向けた。
その行為を理解することが出来ず。私は思わず、彼に聞いてしまった。
「・・・・・・えっと、あのー、何?」
「肩に手を」
「・・・こう?」
「足を前に」
「うん」
・・・・・・うんっ!?
そうして一瞬で私を背負って立ち上がった。
急に切り替わった視界に、酔いが醒めてしまうのではと思うほど驚いた。
「え、ちょっ・・・烝くん!?おろしてよ!」
「そんな千鳥足で家まで何時間かかると?」
「別に良いって・・・恥ずかしいっ」
「・・・・・・隣をフラフラ歩かれるこっちの方が恥ずかしい。それに、自覚してくれないと困る」
「へ?」
「なまえは俺の、恋人だ」
「なっ・・・・・・」
「他の男と喋るなとも、飲みに行くなとも言わないが、ひとつだけ頼みがある」
君の笑顔が可愛すぎるから
結局、彼の背中に甘えて、お互いの頬をぴたりとくっつけ、私の家まで歩いた。
こうしてくっついていると、本当に寒さなんて忘れそうになる。
バカップルでいい。
だってそれは、幸せな証拠だから。
merry christmas...!!