おはようなんて言ってみたものの。窓の外は日が傾きかけていて、気づいたらぐっすり眠ってしまっていた。
昨日、考えすぎて眠れなかったのが嘘みたいに私の心は晴れやかで。
はじめの腕の中はとても温かくて、安心する。
今まで悩み続けたこの期間は一体何だったんだろうと、瞼を開いた彼を見つめながらそう思った。
「・・・・・・おはよう」
そうして、彼のキスが降りてくる。
ああ、夢じゃないんだ。
想いが通じたこと、身体を重ねたこと。
はじめとひとつになれたこと。
全部全部、ずっと私が願っていたこと。
すると、彼の腕の中に閉じ込められる。
目の前にあるはじめの胸に、ドキドキとしながらも、うれしくて、彼の匂いをいっぱいに吸い込んだ。
「・・・・・・えへへ、嬉しい」
ニヤニヤと笑う私の顔を不思議そうに見つめながら、顔にかかっている髪をさらりと耳へ掛けてくれた。
「あの日はさ、目が覚めたらはじめが居なかったでしょ?だから、今、一緒に居てくれることが、嬉しいの」
「・・・・・・す、すまなかった」
「もう、良いよ。だって、今が幸せなんだもん」
そして、ぎゅ、と彼に抱きついた。
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