電車にゆられていると、彼女からメールが来た。

おそらく、今から向かうと言った僕が電車に乗っていると気を遣ったのだろう。


“急に来られても、困る”

“困らない”

“困るの”

“一人で泣かないって、はっきり言ってくれたら行かない”

“沖田くんて意地悪”

“あれ、今頃気づいた?”

“じゃあビール、買ってきて”

“僕の奢りで?”

“当たり前でしょ、人の家に行く時は、差し入れ持って行くものなの”

“それじゃあ差し入れじゃなくてお使いだよ”

“ほんとだ”

“待ってて、ちゃんと買っていくから”

“ありがと”


僕の前でだけ、泣かせたいとそう思った。
prev next

back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -