子供のころから、一体何度、掌を重ねたか知れない。
数え切れないほど繋いだ彼の手を、いつから離したくないと思ってしまったのだろうか。
今にも心臓が口から飛び出そうなくらい、緊張している。
もし、私が思い描いている結果と違った場合。
怖くてたまらない。
でも、キスをくれた事も、抱いてくれた事も。
それはきっと、真面目な彼の事だから、考えなしにやったわけではないって思うから。
大手のショッピングビルを一歩外に出ると冷えた空気が頬をかすめる。
すれ違ったカップルを横目に、はじめが言った。
「・・・何も買わなくて良かったのか」
有名なブランドの紙袋をいくつもぶら下げて、楽しそうに腕を組んではしゃいでいた彼らを羨ましいと思ったのは、買い物云々の問題ではない。
「うん、いいの」
私はただ、はじめとの時間を共有したかっただけだった。
「・・・・・・あとね、もう一つだけ行きたいところがあるんだけど、良い?」
聞きなれたクリスマスソングは、色あせる事無く、毎年毎年、変わらずに街を彩る。
豪華に飾り付けられた大きなツリーと、きらきらのイルミネーションに心躍らせていたこの空気感は、子供のころから変わらないのに。
今、目の前で私をじっと見つめる彼が、何を想うのか―――
「はじめ・・・・・・、私ね?ずっと」
イルミネーションが映えるその時間を、待っていた。
もちろん、はじめと一緒に居たからあっという間に陽が落ちてしまったのだけど。
鞄の中には大事にしまってあるプレゼント。
せっかくだから、クリスマスっぽいシチュエーションで渡したいと、思うじゃない?
彼のリアクションを浮かべると、ドキドキしてたまらない。
喜んでくれるかなっていうのと、その後言おうと思っている私の言葉に、どう思うかなって。
prev next
back