「さいとー先生は何フェチなの?」

「真面目にやれと言っているだろう」

「答えてくれたらやるー」

サボった授業で小テストがあったらしく、放課後わざわざ私に付き添ってくれているのは、担任兼ほやほや彼氏のさいとー先生。

小テストだから5分程度で解ける問題。先生はすぐに終わるだろうと踏んだのか私の前の席に座っていた。

こうして先生の横顔を見るのは初めてかもしれないと、頬杖をついたままにやにやしていた私。

「さいとー先生の教科書をめくる手つきって、なんか嫌らしいよね」と漏らしたら、顔を真っ赤にして言葉を失っていた。

「ねー先生?」

「・・・・・・」

「先生ってば」

「・・・・・・」

「・・・・・・はーじめ」

「なっ・・・」

「ふふ・・・さいとー先生って、ほんと可愛い」

クスクスと、笑う私にさいとー先生は「いい加減にしろ」と腕を組んでそっぽを向いた。

「せんせ」

「なんだ」

ちゅ

「好き」

少しだけ前に乗り出して、そっと先生の頬に触れた。

きっとまた、顔を真っ赤にして照れるだろうと思っていた。

でも、先生の方がやっぱり大人で、一枚上手だったみたい。

私の頬から首の後ろへなめらかに先生の左手が移動したかと思うと、そのまま噛み付かれた。

「・・・ん」

「教えてやる」

「なに・・・?」

「俺はお前の、このうなじと、首筋フェチだ」

つぅ、と指でなぞられたそこに思わずびくっとしてしまう。

「・・・・・・っ」

ニヤリとわらう先生がやっぱり大人だと思い知った。

「ずるい」

「俺を可愛いなどと言うお前が悪い」

「・・・もっとして?」

「だったら、はやくそれを終わらせろ」

「やだー」

たったの5分でも、あなたから目を逸らしたくないの。

私の知らないあなたを、もっと見せて。



END



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