二人の約束

私が初めてキセキのみなさんと出会ってから3ヶ月がたちました


そして、今日から夏休み!



キャリーバックに服や日用品をつめこみ私は東京に向かいました


一旦家に荷物を置いて、向かったのは幼なじみの真ちゃんの家


実はこの前、一緒に夏祭りに行く約束をしたんです


夏祭りってあんまり行ったことないからずっと前から楽しみにしていました


チャイムを鳴らすと、私服の真ちゃんが出てきて、私はを見たとたん目を見開いた





「名前?」



『久しぶり真ちゃん。約束を果たしにきました』




私がそう言うと、「は?」と声を発し、眉間にシワを寄せる





『まさか…覚えて、ないの?』





いまだに頭を悩ませている真ちゃんに訪ねると、申し訳なさそうにコクンと頷く

私は、覚えていたのに

あんなに楽しみにしていたのに


真ちゃんを見ているとそんな気持ちが込み上げてきて、私の中の怒りのメーターが上昇してくる




「何を約束したんだ?」




この言葉で、私の中の何かがプツン、という音をたてて切れた気がした




『真ちゃんのバカ!!もう知らない』



何も理解していない彼にそう吐き捨てると、私は彼の家からとびたした
勢いのまま家に帰り、ドアを強く閉めると、一気に力が抜けていった




『真ちゃんのバカ…』




先ほど彼に言った言葉をもう一度繰り返す




『そう言えば私、真ちゃんにバカっていったのも、怒鳴りつけたのも初めてだな』





これが、私と彼の初めてのケンカ

ケンカといっても私が一方的に起こっているだけなんだけど…






『はぁ……』





ため息をついてベッドに突っ伏している内に、だんだんとウトウトと睡魔が襲ってきた


その睡魔に勝てず、私はそのまま眠りについた

目を覚ますと、時計は5:17を指していた


夏祭りは3:00からだからもう始まっちゃっているな

なんて思い、小さな笑みをもらす






「起きたのか」




突然声が聞こえてきた


その声は聞き覚えのある、さっき別れた彼の声





『真ちゃん…?』



何でここにいるんだろうと不思議に思っていると、真ちゃんはポケットから綺麗に折り畳まれた紙を取り出した


それは、私たちがいくはずだった夏祭りのチラシ





「これを見て約束を思い出した」
『………っ』




「名前、忘れてて悪かったのだよ」





優しく話しかける彼、さっきまで怒っていた筈なのに、私の中から怒りは消えていて、かわりに涙が溢れてきた




『真ちゃんのバカ』




何回も口にした言葉を言いながら真ちゃんに抱きつく

真ちゃんは驚きながら優しく抱きしめかえしてくれた



『私、ずっと楽しみにしていたんだよ』




「ああ」




『楽しみで昨日寝ていない』

「それは…よくないが」




『なのに真ちゃんは忘れていてムカついた』




「悪かったのだよ」





『うわぁ〜ん!!』




本格的に泣き出した私の頭を撫でてくれる真ちゃん



その手がすごく心地よかった



「許してくれるか?」




『りんご飴と綿菓子とたこ焼きと焼きそばを買ってくれたら許す』




「そんなに食べたらお腹壊すのだよ」


『じゃあ、たこ焼きとりんご飴で我慢する』




「そうしろ」




そんなやりとりをして、お互いに笑い会う





『ふふふ…真ちゃん!お祭り行こ』




「ああ!」






それから私たちは仲良く手を繋いで夏祭りに行った


ねぇ真ちゃん

約束を忘れられたのは悲しかったけど、ケンカもたまにはいいかもしれないね

仲直りしたとき、前より真ちゃんに近づいた気がするの

それに、ケンカするほど仲がいいって話、よく聞くもん

今日のケンカで…真ちゃんともっと仲良くなれたかな?




二人の約束、初めてのケンカ
(真ちゃん!金魚!!)
(たこ焼きを食べながら話すな)
































































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