私のお届け物

東京から少し離れた神奈川

そこにある女子校に私は通っている
全寮制のために外に出ることもあまりなく、男の子に関わる機会がない私は男の子が苦手だったりする


今日は久しぶりに外出許可が出たため、東京にある実家に帰ってきた

しばらく懐かしい道を歩いていると、私の家の隣に住んでいる緑間さんと遭遇した





「あら、名前ちゃん。久しぶりね」



『あ、はい』



「そうだ!このあと何か用事ある?」



『特にないですけど…』



「じゃあ真ちゃんにお弁当を届けてくれないかしら?」



ということで、私は緑間さんの息子さんにお弁当を届けることになりまし

息子の緑間真太郎君こと真ちゃんは私の幼なじみで、私が話せる数少ない男の子でもあります

幼い頃からバスケをしていた彼は今や最強と言われる帝光中バスケ部のNo.1シューターだとか

そんな彼が忘れたお弁当を届けることになったのですが






…………彼がどこにいるのかわかりません(汗







とりあえず練習試合の会場である帝光中まで来てみたのですが、予想外に広い


これは動いただけで迷ってしまいそう




どうしようかと周囲を見渡していると





「どうしたんですか」



っていう声が前から聞こえた



『…………Σっ!?』




よく見るとそこには空色の髪をした男の子

前まで来ていたことには気づかなかった私は小さな悲鳴をあげてしまった





「すみません。驚かせてしまったみたいで」




男の子は少し寂しそうに笑うとまた表情を元戻した




「何かお困りですか?」



『ぁ…あの、体育館に…行きたく…て…』




そう話すと快く案内を申し出てくれた彼…黒子テツヤ君(さっき聞いた)


彼も真ちゃんと同じ様にキセキの世代らしい

黒子君は歩きながら私にいろんなことを教えてくれる私の知らない真ちゃんの話が聞けると、なんか嬉しかった



「あ、けこが体育k「ああ〜!!?テツ君が女の子と一緒に歩いている!!!」」
体育館が近づくと女の子特有の甲高い声が聞こえてきた


そして私達の周りに桃色の髪をしたかわいい女の子と、近くにいた男の子が集まってきた




「どういうことテツ君!私というものがありながら……浮気!?」



「黒子っちにオレより先に彼女ができるなんて…」




「黒ちん、やるね〜」




「どういうことだテツヤ」





もともと人と関わるのが苦手な私は大勢の人に囲まれ、たんだんと目頭に涙が溜まってくる






『……ふぇ…////』
我慢ができなくなってポロポロと涙が溢れてくると、それに気がついた人達は焦りだしてしまう





「オイ!何泣かせてんだよ黄瀬!!」


「Σオレっスか!?」



「青ちんの顔が怖いんだよ〜」



「そうだそうだ!!」




「桃井の勢いだろ」



「僕もそう思います」



「Σテツ君!?」



『ご…ごめ、んなさい…でも…ぅ…ふぇん…/////』

止めようとしても止まらない涙



どうしよう…



みんな困っちゃってるよぉ



それに、ものすごく視線を感じる



恥ずかしいよぉ////





※その頃のキセキ達

「「「(やべぇかわいい!/////)」」」







「みんな何をしているのだよ?」






緊迫したムードの中、よく知った声が聞こえた

顔を上げてみると、そこには真ちゃんが立っていた





「…名前?」





『ぅぅ…真ちゃん!!』




勢いよく真ちゃんに抱きつく私

恥ずかしいけど、泣き顔を見られるよりはいい





「ちょっと待て!!」



「しっ…真ちゃん?」



「お二人の関係は?」





「幼なじみだ」

「「「Σぅえええ〜〜!!?」」





何でだろう?


これって驚くことかな?





「それより名前、何しにきた」





『ぁ…真ちゃんが、お弁当忘れた…って、おばさんが…』



私は、バックの中からお弁当を取り出すと真ちゃんに渡す





「あぁ。ありがとうなのだよ」




真ちゃんはそう言うと、私の頭を優しく撫でてくれた

「あの緑間が…」



「めちゃくちゃ優しい顔して笑っているっス」



「貴重だ」






「名前。予定がないのなら見学していくか?」


『いいの…?』



「かまわん」








その日は上機嫌の緑間と、それを離れてみつめるキセキの姿があったとか

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