大切は存在

何かがたりない


そう思ったのはいつからだろう?



行きたかった高校に入ることができ、新しい友達もできた


勉強にもついていけている


部活だって充実している


完璧なはずなのに、私の中にポカリと穴が空いたような感覚があった


それに気がついてからは全く集中できなくて、勉強でも部活でもミスを連発してしまった私


中学の頃からの知り合いの黒子君にも心配されるほどだ


気分転換に部活を休み、散歩に出てみることにした


知り尽くした道をただただ歩いていると、目の前に私とは違う、秀徳の制服を身につけた幼なじみの姿

それを見た時、私は「ああ、これか」そう思った

私の不調の原因…緑間真太郎


保育園の頃からずっと一緒に過ごしてきた私たち


離れたのは今回が初めてだった


当たり前のようにそばにいる存在だったから気づけずにいた


私にとっての大切な存在




「名無しさんか久しぶりだな」



『うん。久しぶり真太郎』



「元気でやってるか?」



『やってるよ』




何気ない会話

それだけなのにすごく満たされる



『ねぇ真太郎』



「なんなのだよ」



私は真太郎に一歩近づくと、その体に抱きついた




『やっぱり真太郎と一緒のほうがすっごく落ち着く!』




「!?」




『真太郎だいすき』

君と離れて気がついたよ



君は私の大切な人




大切は存在
(今度デートしよう!)
(し、しかたないのだよ///)



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