優しい君に

最悪な日は最高な日にもなる





「最悪…」


学校の帰り道にまさかこんな時に貧血になるとは


目の前がグラグラする


あ、駄目倒れる


私はギュッと目を瞑った


でもいつまでたっても痛みはなくて

目を開けると誰かに受け止められていた
『大丈夫ッスか?』


受け止めてくれた彼は同じクラスの黄瀬亮太君だった

「うん、ありがと」

『とりあえずどっかに入って休みましょ?』

黄瀬君に体を支えられながら近くの喫茶店に入った

黄瀬君は飲み物をオーダーしてくれた


『気分はどうッスか?』


「結構楽なってきたよ」


『よかったぁ、目の前で突然倒れそうになったから焦ったスよ?』


「ごめんね?ちょっと貧血気味でさ」

『ちゃんと栄養はとってるんスか?』

「まぁ…とりあえずは取っていると思う」


どうだろう。

「そういえば今日は食べる気が起きなかったから何も食べていないような…」

『それッスよ!ちゃんと朝ご飯は食べないと、それに昼ごはんもたべてないんスか?』


「うん」

『名無しさんっち、これからはしっかり食べるんスよ?』

「はーい」


そう返事するとえらいえらいと言って黄瀬君が私の頭を撫でてきた


その後喫茶店でしばらく休んだ私たちは再び歩き出した

「今日はありがとね」

『どういたしまして』

手を振ってお互い歩いていった




優しい君に


どうやら恋をしてしまったようです

[ 13/18 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -