「あーもうやっちまったなーまた免許取り上げられる」

「…………」

「あ、お嬢さんあんた、目撃者?頼む、俺かくまってくんね?300円あげるから」


「え」

……話し掛けられた。
ぎんたまの主人公に話し掛けられた


は な し か け ら れ た


「…………」


「ん?お嬢さん?どうしたの?」



「…旦那、あんた何やってんですか。あれ、伶奈こんなとこにいたの?」

「山崎!」

「ありゃ、山崎くん。いやー、さすが真選組、連絡網回すの早いねー」

「情報網が良いと言って下さい。それにしても、旦那、またですか。」

「いやね、この事故は、俺のせいじゃないんだよ?こいつが俺のスクーターの魅力に踊らされたみたいでつっこんできたんだ」

何言ってんだこの天パ

「そんなこと言って、あなた前にもスクーターがケツを吸い寄せたみたいなこと言ってたじゃないスか」

「いや、今回の話はまじだって。な?お嬢さん」

「……」

「え、そうなの?」

「………」

「そうだよな?お嬢さん?そうだと言ってくれ早く」

「この天パがブレーキ踏まなかったんです。」

「なっ!?ちょ、お嬢さん、話と違」

「……旦那」

「い、いや、違うよ!?実はこの子超あまのじゃくでさあ」

「300円あげるから庇ってくれって言われました。」

「……旦那」

「ちちち違うって!じじ実はスクーターのブレーキきかなくて!!これ本当!」

「…いや旦那、そういう事なら、なおさら色々面倒なんですが」

「あああ!そうだった!だいたいなんだこのお嬢ちゃん、ことごとく裏切りやがって!300円返せ!」

「まだもらってません」

「なんだよこの子!ちょっとした善意とかないの!?警察に嘘ついてやるみたいな悪心とかないの!?」

「彼女、真選組隊士ですよ」

「え」

あ、銀さん固まった。

「…………」

「………まじか…」

ピルルルル!

「…あ、もしもし原田?うん、うん、こっちに車回してきて」

「!!ちょ、ちょちょ!」


キキーッ

「おーう山崎。迎えに来たぞ」

「原田早いね」

「まあな。事故った奴って、こいつか?また?」

「まあね。」

「ちょ、違う!違う!」

「話は屯所で聞く。まあ乗れ」

グイッ

「うおわっ!このハゲ力強っ!」

「…………」

「!お嬢ちゃん、俺お前のこと一生恨んでやる!覚えてろ!」

「はい」


ハゲと銀さんを乗せたパトカーは去っていった。


「……………」


せっかく、ぎんたまの主人公に会えたのに…

主人公、状態最悪じゃんか

テンション下がる。

なんだよこれ


「…あ、あの、伶奈?」

「なんですか」

「いや、なんか顔が怖い」

「いつもこんな顔ですけど何か」

「…何、怒ってんの?なんかあったの?」

「怒ってません、なにもありません、テンションが低いだけです」

「いつもテンション低いじゃん」

「……山崎、何しに来たんですか、ハゲと帰りゃ良かったのに」

「(話そらした)いや、実は俺、事故の連絡聞いて来たんじゃなくて、伶奈のこと探してたんだ」

「え」

「局長が、伶奈一人で江戸は危ないからついてやれってさ。あの人過保護すぎだよね、たまに疲れない?」

「……まあ」

「笑うって課題も出されてるんでしょ?俺手伝うからさ。江戸観光ついでに!」

「……ありがとうございます」

「うん!」



山崎って本当にお人よしだな。

いや、私みたいな、不機嫌で無口な奴の扱いには慣れてるんだろうか。

…なぜか土方十四朗の顔が浮かんだ。





ああ、そんなことより、早く、笑いたい。








…………………・
あとがき

実は、ヒロインの好きキャラは山崎ではありません。今更ですけど。

やっと山崎でてきましたね!

次回考えてねえや←
もっと先の話なら考えてるんですけどね。

 



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