とりあえず、また局長室に行く前にいた縁側に座った。

ここだと、ぽかぽかした太陽がいい具合に当たれるから。


「よお伶奈、ヒマそうだな?」

ハゲが来た。

「はい、ヒマです」

「仕事が無えっつーのも考えもんだなー…」

そういいながら、ハゲは私の隣に座った。

「仕事は?」

「ちょっと休憩ー」

別に休む場所はここじゃなくてもいいのに、わざわざ一人でいる私に気を使ってくれてるのが分かって、私って本当に幸せ者だなあなんて思えた。

「そういやお前、役職もまだ貰えてないのか?」

役職…そうだ、私、笑わなくちゃいけなかったんだ


…ハゲに相談してみようかなあ。

「えーと……実は…」

私はとりあえずハゲにゴリラから言われたことを話してみた。



「そうかあ…笑うのかあ…」

「はい…どうしましょう」

「いやどうしましょうって言われてもなあ」

なんだよこのハゲ。役立たねーな


「事情は聞きましたぜィ」

総悟が急に出てきた。本当神出鬼没だなこの人

「あ、沖田じゃねーか。なんか良い案あんのか?」

「妙案が浮かびやした」

総悟はそう言いながら手を背に回して、あるものを取り出した。

「まあ、俺に任し「遠慮します」

私は意識して冷たく言い放った。

…だって、総悟、手になんか…


巨大電動ドリル持ってるもん。


バズーカじゃなくて巨大電動ドリル持ってるもん。


「…Mならこんな嬉しいことはねえだろ「Mじゃないんで」


「………………」


いつのまに私はMになったんだ


総悟はそんな私の反抗も無視し、巨大電動ドリルをこちらへ向けた。

「腹たつねィ…お前」

え、ちょ、まじで?
総悟に嫌われた?

「最初は冗談のつもりだったんですがねィ…」

嘘だろ 冗談とか嘘だろ 最初から本気だっただろ


「……いい声で叫べや伶奈!!」


「叫ぶじゃなくて笑うううう!!!」

結局私は叫んでしまい、縁側から駆け出した。


全速力で逃げる私を追いかける総悟。


つーか足早っ!巨大電動ドリル持って走ってんのに足早っ!!


…もういいや
屯所から逃げちゃえ!!
どうせまだ仕事らしい仕事もないんだし。

「ハゲ!!ゴリラに江戸観光してくるって言ってて下さい!」

「え」

「まちやがれィ!!」

「い゛やああああ!!」

途中、名も無い隊士達の「伶奈が叫んでるぞ!?」とか「あぁ〜沖田隊長かあ…可哀相に」とかの声が聞こえたが無視。


私は屯所の門を飛び出した。


「……チッ」

総悟は舌打ちをたてながらも見逃してくれた。





…江戸に来たのはいいけど、私、江戸の道とか全く知らないし。


あぁもう、私には "笑う”って任務もあるのに…


「…早速迷子かよ…」


参ったなあ…



…………………・
山崎が出てこない!
個人的に原田さんはキライじゃないです\(^^)/けっこうスキ





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