サエさんが皆を集めるときの話。
「……、」
皆に会いたい。
ふと思った。
思うとすぐ、俺は携帯を開き、しばらく連絡を取っていなかった樹っちゃんに、何のためらいもなく電話をかけた
『はいもしもし』
懐かしい樹っちゃんの声が俺の耳に広がる。
「やあ久しぶり、」
『誰』
……。
「ハハ、冗談きついな」
『や、本当に誰。』
……。
なんだよ樹っちゃん、その、普通すぎる喋り方。
そんなの、樹っちゃんじゃない
「うそ…樹っちゃん、俺のアドレス消しちゃったの?」
『うん。まあ、冗談ですけど。すごい久しぶり。何の用なのね、サエ。』
………。
畜生、君はいつの間にそんな腹黒くなったんだ。
あれだぞ、今ちょっと泣きそうだったぞ。
「…樹っちゃん来週の土曜暇?」
『んー…、夜なら暇なのね』
「んじゃその日の夜8時に六角中の裏山に集合で。樹っちゃん、亮と首藤に連絡しといてね。俺他の奴らに連絡しとくから。あ、全員拒否権無し」
『は?ちょっ、』
ブチッ。
樹「……切れた」
サエ、ちょっと拗ねたのかもしれませんね。
「…ふふふ」
サエ、久しぶりに声聞いたけど、雰囲気全然変わって無かったのね。
「ほんと、見た目は大人っぽくなってるんだろうけど…中身はまだ子どもなのね」
………………・
樹っちゃんがサエさんをちょっといじめてみた。