のっとBL
十数年後の話
来週の土曜、六角中の裏山集合。拒否権なし。
そんな連絡網が突然、元レギュラー陣に駆け巡った。
淳「わぁ、本当に皆揃ってる」
剣「すごい、淳さんだ!」
亮「たまたまこっちに帰って来ててさ、なんか面倒そうだったから連れてきた」
首「てゆうか、言い出しっぺ誰?俺樹っちゃんから連絡網来たんだけど、まさか樹っちゃんじゃないよな?」
樹「言い出しっぺはこの人」
サ「よーし皆揃ったな!」
ダ「突然集めて、どこ行くのさ」
淳「てゆうか、俺もいていいの?」
サ「むしろ居て良かったよ」
ダ「で、どこ行くの」
サ「秘密基地」
首「は?」
バ「そんなのあったっけ」
サ「作ったじゃん、小学生のとき」
剣「あ、そういえば作ったね」
サ「さ、行こう」
*
バ「おーっ、秘密基地だ」
俺の持参した懐中電灯と、
皆の携帯のライトで照らされた、秘密基地。
小学生の時に作ったまんまだった。
サ「なんも変わってないね」
亮「でも、何をしにここに来たの?」
サ「壊そうと思って」
剣「え」
サ「皆の裏山なんだからさ。綺麗にしないとって思ったんだ」
淳「まあ、理屈は通ってるよね」
ダ「でも、勿体なくないか」
バ「そうだよ、今のガキ共に譲りゃいいじゃねえか」
サ「駄目だよ、こういうのは、一から作ることに意味があるんだ」
なんとか全員の承諾を得て、俺達は段ボールで出来たその基地を取り壊しにかかった。
*
樹「あ、これ、昔バネが拾ってきたエロ本なのね」
バ「ちょ、馬鹿!!」
剣「え、何それ何それ」
バ「駄目!お前にはまだ刺激が強すぎる!」
剣「ちょっと待って俺成人してるんだけど」
エロ本の他にも、沢山のものが出てきた。
アイスのゴミ、
壊れた水鉄砲、
親に見せれなかったテスト。
ゴミ袋に分別しながら捨てる。
首「都合の悪いものとか、全部ここに隠してたなあ…」
亮「僕らだけの小さい国みたいなものだったから、やりたい放題だったもんね」
誰かの描いた、自画像を燃えるゴミに捨てる亮。
きっとあれでも全力の画力なんだろう。
なのに、でかでかと書かれた、先生の“もう少し頑張りましょう”の文字が悲しすぎる。
テキパキと段ボールを纏めていたダビデが呟いた。
「この秘密基地…愛媛みかんの段ボールのみで作られてる」
うん。確か、愛媛みかんじゃないと嫌だって、ダビデが駄々こねたんだよ。
全てを片付けて、
秘密基地の跡地を振り返ると、
周りはかなり雑草なんかで茂っているのに、
そこだけ異様な空間ができていた。
首「なんかここだけ綺麗でキモいな」
樹「じゃあ、周りも綺麗にする?」
首「遠慮しとく」
亮「こんな光景、昔の俺達が見たら、怒り狂うだろうね」
淳「俺達の国を、何壊してんだ、ってね」
樹「ふふふ」
確かに、そう思った。
大人は嫌いだ!
小さい頃の俺が、そこに立っている。
小さい頃の俺が、俺に向かってそう叫んだ。
ガリガリ君が何本も入ったコンビニの袋を握りしめて、大人の俺を睨んでいる。
そうだな、俺も、もう大人なんだな。
小さい頃の俺に、嫌われた。
でも、ごめんな。これが大人の役割なんだ。
*
首「あー、疲れた。」
剣「…なんか、ガリガリ君食べたくなった」
亮「奇遇だね、僕もだよ」
バ「じゃ、今から皆でコンビニ行くか。」
仕事帰りの奴もいたんだろう。
何人かはスーツ姿だった。
確か、大学で忙しい奴もいたハズだ。
昔はあれだけ暇を持て余してたのになあ。
その結果があの秘密基地だ。
大人になったんだな、俺ら。
ダ「あー、今日皆でサエさん家泊まろう」
バ「お、いいね」
樹「朝まで語り明かすのね」
剣「俺徹夜できるかなー!?」
否、心はまだ子供のようだ。
(でもサエさん、なんで突然こんなこと言い出したの?)
(いや、ただ単に、皆何してるのかなあって思ってさ。急に会いたくなったんだ。秘密基地は口実だよ)
………………・
とか言ってサエさん本人はプータローだったりしてね(^ω^)wwww
よく分からん話になってしまったorz
何が言いたかったんだ、っていうね。
またまた、ボカロ曲をちょっと参考にさせてもらいました。