のっとBL
十数年後の話




来週の土曜、六角中の裏山集合。拒否権なし。

そんな連絡網が突然、元レギュラー陣に駆け巡った。


淳「わぁ、本当に皆揃ってる」

剣「すごい、淳さんだ!」

亮「たまたまこっちに帰って来ててさ、なんか面倒そうだったから連れてきた」

首「てゆうか、言い出しっぺ誰?俺樹っちゃんから連絡網来たんだけど、まさか樹っちゃんじゃないよな?」

樹「言い出しっぺはこの人」

サ「よーし皆揃ったな!」

ダ「突然集めて、どこ行くのさ」

淳「てゆうか、俺もいていいの?」

サ「むしろ居て良かったよ」

ダ「で、どこ行くの」

サ「秘密基地」

首「は?」

バ「そんなのあったっけ」

サ「作ったじゃん、小学生のとき」

剣「あ、そういえば作ったね」

サ「さ、行こう」



バ「おーっ、秘密基地だ」

俺の持参した懐中電灯と、
皆の携帯のライトで照らされた、秘密基地。

小学生の時に作ったまんまだった。

サ「なんも変わってないね」

亮「でも、何をしにここに来たの?」

サ「壊そうと思って」

剣「え」

サ「皆の裏山なんだからさ。綺麗にしないとって思ったんだ」

淳「まあ、理屈は通ってるよね」

ダ「でも、勿体なくないか」

バ「そうだよ、今のガキ共に譲りゃいいじゃねえか」

サ「駄目だよ、こういうのは、一から作ることに意味があるんだ」


なんとか全員の承諾を得て、俺達は段ボールで出来たその基地を取り壊しにかかった。





樹「あ、これ、昔バネが拾ってきたエロ本なのね」

バ「ちょ、馬鹿!!」

剣「え、何それ何それ」

バ「駄目!お前にはまだ刺激が強すぎる!」

剣「ちょっと待って俺成人してるんだけど」

エロ本の他にも、沢山のものが出てきた。

アイスのゴミ、
壊れた水鉄砲、
親に見せれなかったテスト。

ゴミ袋に分別しながら捨てる。

首「都合の悪いものとか、全部ここに隠してたなあ…」

亮「僕らだけの小さい国みたいなものだったから、やりたい放題だったもんね」

誰かの描いた、自画像を燃えるゴミに捨てる亮。

きっとあれでも全力の画力なんだろう。
なのに、でかでかと書かれた、先生の“もう少し頑張りましょう”の文字が悲しすぎる。

テキパキと段ボールを纏めていたダビデが呟いた。

「この秘密基地…愛媛みかんの段ボールのみで作られてる」

うん。確か、愛媛みかんじゃないと嫌だって、ダビデが駄々こねたんだよ。


全てを片付けて、
秘密基地の跡地を振り返ると、
周りはかなり雑草なんかで茂っているのに、
そこだけ異様な空間ができていた。

首「なんかここだけ綺麗でキモいな」

樹「じゃあ、周りも綺麗にする?」

首「遠慮しとく」

亮「こんな光景、昔の俺達が見たら、怒り狂うだろうね」

淳「俺達の国を、何壊してんだ、ってね」

樹「ふふふ」

確かに、そう思った。


大人は嫌いだ!


小さい頃の俺が、そこに立っている。
小さい頃の俺が、俺に向かってそう叫んだ。
ガリガリ君が何本も入ったコンビニの袋を握りしめて、大人の俺を睨んでいる。

そうだな、俺も、もう大人なんだな。

小さい頃の俺に、嫌われた。

でも、ごめんな。これが大人の役割なんだ。





首「あー、疲れた。」

剣「…なんか、ガリガリ君食べたくなった」

亮「奇遇だね、僕もだよ」

バ「じゃ、今から皆でコンビニ行くか。」


仕事帰りの奴もいたんだろう。

何人かはスーツ姿だった。

確か、大学で忙しい奴もいたハズだ。

昔はあれだけ暇を持て余してたのになあ。
その結果があの秘密基地だ。

大人になったんだな、俺ら。

ダ「あー、今日皆でサエさん家泊まろう」

バ「お、いいね」

樹「朝まで語り明かすのね」

剣「俺徹夜できるかなー!?」



否、心はまだ子供のようだ。



(でもサエさん、なんで突然こんなこと言い出したの?)
(いや、ただ単に、皆何してるのかなあって思ってさ。急に会いたくなったんだ。秘密基地は口実だよ)








………………・
とか言ってサエさん本人はプータローだったりしてね(^ω^)wwww


よく分からん話になってしまったorz
何が言いたかったんだ、っていうね。

またまた、ボカロ曲をちょっと参考にさせてもらいました。


 next


×