"普通"という言葉は、なんと便利なのだろうか。好きでも嫌いでもなく、間に存在するそれは、使いやすく便利で。
しかしながら、今、その便利な"普通"の使用を拒否されてしまった状況での究極の選択。
私は、どちらを選べばいいのだろうか。
「なまえ、ぼくのが好きだよね?」
「クダリ、寝言は寝て言うものです。彼女がいつ貴方様を好きと言ったのですか?なまえ、貴女様は勿論このわたくしが好きなのですよね?」
「いやいや、寝言ノボリが言ってる!」
私を挟んで口論を始める二人に溜め息が出た。
なぜ、こんなに話が飛躍してしまったのだろう。最初は仕事の話をしていたはずなのに。
横の二人とは幼馴染みで、小さい頃から仲良し。昔からこんな感じだったのをうっすら覚えている。
二人を見比べて、また溜め息が出た。
「そ、そろそろ私帰ろうかなぁ、」
適当に言って、座っていたソファから立ち上がった時、両側から引っ張られてすぐに元の場所に座らせられた。
横の無表情と笑顔を見れば、悪びれた様子もなく。
「今日は泊まっていっては如何でしょう?女性一人の暮らしは何かと危険ですし」
「そうだよ、お泊まり決定!」
どんどん進むお泊まり計画に、内心すごく焦った。
この二人、口裏でも合わせているのではないか、と思う程私が帰るのを阻止してくる。
どんどんと帰りづらくなってしまい…。
「はぁ、分かった!泊まる!」
そう、半ば投げやりに言えば二人が目を合わせて笑った気がした。
二匹のおおかみさん
(夜には本性を現すよ)
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と、取り合いになってない気が…!
拙い文すみません
リクエストありがとうございました!
20110122