はぁ、と、小さな溜め息が零れた。
原因は彼女、なまえにある。
彼女とは恋人という関係であり、ぼくは勿論彼女が大好きで、彼女もぼくが大好きだから恋人なのだと思う。
けれど、彼女はノボリと仲がいい。
ぼく的には、出来れば男の人とは喋って欲しくないのが本音で、けれどそれはぼくのわがままで彼女を困らせるだけの感情。
だから、我慢してるつもりだった。
けれど、もうダメみたいだ。
視界にはビックリした彼女の顔と壁。
両手はぼくが押さえているから、彼女は逃げられない。
言わば、追い詰めた様な形だ。



「ちょ、クダリ、?」

「ねぇ、なまえ。ノボリと喋らないで」



はいた言葉は、嫉妬の塊の様。
耳に入ったのかなまえは先ほどよりも驚いた様な顔で、少し笑う。
その些か不謹慎なそれに、ぼくの顔が少し歪むのが分かった。



「なんで、笑うの?ぼく真剣に言ってる」

「ゴメン、でもなんか」



嬉しくて、と彼女はポツリと零す。
嬉しい、って、どういう意味だろう。



「なんで、ぼくの汚い嫉妬、嬉しい?」

「汚くないよ!だって、それは私が好きな証拠でしょ?」



微笑む彼女と、証拠という言葉。
嫉妬が溶ける様な、不思議な気持ちになった。



もっとぎゅっと絡めてほしいから
(嫉妬させるの)

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嫉妬クダリ、楽しかったです^^
拙い文ですみません、企画参加ありがとうございました!

20110109