「ノボリさん大好き」

「ありがとうございます…」



いつもこうだ。私が愛情を伝えても、彼はお礼の言葉しか言ってはくれない。私と同じ言葉を言ってはくれない。
この事を友達に相談しても、「贅沢な悩みだね」と呆れられてしまうのだ。正直、私自身でもこんな悩みは幸せでなければ出てこないと思う。
けれどやはり与えている分、見返りを求めるのが人間なのか、私は彼からの愛の言葉が予想以上に欲しかった。



「ノボリさん、私のこと好きですか?」



突然すぎる問いだったのか、彼は少し目を大きくして驚いているようだ。そんな顔を見てるのも捨てがたいが、今は愛の言葉が欲しい。彼からの口から聞いたのは最後にいつだっただろう。
もしかしたら、一回も聞いていないかもしれない。



「……はい、勿論。突然どうしたのですか」



少し恥ずかしそうに言う姿がとても素敵。けれど、やはり言ってはくれないようだ。
不満な感情が顔に出ていたのか、彼は少し戸惑っている。



「あ、あのなまえ」

「何ですか、」



顔をあげると、ちゅ、と唇と唇が重なった。すぐに離れた唇。
彼の顔を見ると真っ赤に染まっていて、私の頬も熱くなった。


「…大好き、です」

「わ……わたしもです」



私、すごく幸せ、だ。



甘い甘い私達
(好きだから、)

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お待たせしてすみません!
ご希望にそえていれば幸いです



20110702