※切なめ


きっと君と一緒になれたら、僕は嬉しくて泣いてしまうね。

Ｎはそう言うと、優しく微笑んだ。私の胸は酷く締め付けられて、頬を伝うその水さえ拭えない。
私のことを、Ｎが好きだと言った。だけど、私は違う人がいて、君の気持ちなんて気にも止めなかった。
その行為を、その彼にされた。なのに、Ｎは私の頭を優しく撫でて、また優しく微笑んだのだ。彼が私にしたように、私はＮを冷たく突き放したのに。Ｎは、そんな事は関係無いかのように、私に優しくしてくれた。なのに、やっぱり私には彼しかいなくて、



「ごめんね、こんなこと言って。困らせてるよね、泣かないで」



Ｎの温かい手が、濡れた頬に重なる。

Ｎの気持ちに答えられない自分がいた。どんなに嫌われても、彼が好きだった。それは、私に対するＮの気持ちと同じ気がして、涙が溢れて止まらない。Ｎが私の頬をやっぱり優しく撫でるから、私の涙がＮの手を濡らし続けた。



交わらない世界
(君と交じれたなら)



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Ｎくんが切なくて辛いです