「お花柄がいい」



神出鬼没な彼女が、ひょこりと机の端から顔を出した。
そして、この謎の一言。
服は、見たところフリフリの実に可愛らしい花柄ワンピース。
それをしばし見つめながら、考え付いたことを口に出した。



「とても可愛らしいお洋服ですね、似合っております」



言えば、彼女は一瞬目を丸くしたと思えば、すぐにいつもよりも少し赤めの顔になった。
照れている、と考えるだけで少し和やかな気持ちがわたくしの体を包み込む。
しかし、それはすぐに弾けとんだ。



「わ、私のことはいいの、ノボリについて言ってるの!」

「わたくし、ですか?」



疑問符が浮かぶ頭をかしげながら少しだけ考えてみた。
花柄がいい…、しかし、何も浮かばない。
それどころか、少しばかり頭が混乱さえしてきた。



「ノボリさんの制服、地味じゃない?ならいっそファンシーな方が可愛いと思うんだ」



答えを聞いて、少し呆れながらも花柄の制服を身に纏った自分を想像してみると。



「……何か、禍々しいと思うんですが」
無表情の花柄は、今以上に敬遠されるに違いない。
第一、サブウェイに今さら服を変える予算など出す余裕はないのだ。
それを説明すると、彼女は心から残念と言わんばかりの表情でため息を一つ溢した。



「そっか、可愛いと思うけどな、花柄」

「………確かに、可愛らしいですよ、花柄。しかし着る人によるのです。なまえの様に似合わなければとてもおかしな事になってしまうでしょう」



そう言うと、まだ少し難しい顔で彼女は、似合うと思うけどな、と呟いた。



花柄模様の私達
(わたくしは遠慮します)

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私が花柄好きなので書きました^^
小花柄のワンピースとか可愛いですよね



20110403



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