好き?
いやいや、冗談よしてよ、誰があんな変態好きなものですか。
いやいや、こんなドキドキ、気のせいだよ。
「ねね、なまえの〇〇〇〇みたいな」
「他をあたれ」
ほら、ド変態じゃないか。こんな奴、好きにはなれない。むしろ嫌いだ、嫌い嫌い。
しかし、私の心臓は、彼を見ると高鳴ったり、近くにいると、息が詰まるんだ。
でも、信じない。私は、変態を好きになんかならない!
そう、否定をし続けても、本当の心境なんて変えられないから、私はどんどん只の天の邪鬼になってきて、全部、クダリのせいだ。
「なまえ、ぼく嫌いなの?ショック」
「……」
何か言う彼を見ながら、喉の下がギュウギュウ苦しい。
嫌いなら、うん、って言えば良いじゃない。と、思った。だけど言ったら、終わっちゃう気がした。このくだらない会話も、全部全部、消えて、弾けちゃう気がした。
「……嫌いでは、ないよ、………」
下を向いて、呟く。すると彼は、頬を緩めて笑った。
少しだけ、ほんの少しだけ、素直になれた気がした。
気付かない、ふり(素直になれば、楽なのに)
----------------
実は好きとかいいですよね^^
20110203