「うっ、!なまえ変なにおいする!」

「…は?」



いきなり現れて、何を言い出すんだ。
変なにおい……試しに、自分の服を嗅いでみたけど、無臭。別にくさくない。



「何もにおいしないし」

「嘘!だって今だって!」



そう言って、彼は自分の顔を私に近付けてくんくんと鼻を動かした。
そして、少し離れていやそうな顔でこちらを見る。



「やっぱり、においする。何か、すごく嫌な感じの」



仮にも女の私に言う言葉ではない。いやなにおいって何さ、遠回しに臭いってか!
じとっとした視線を彼に向ければ、何を思ったのか彼は手持ちのポケモン、デンチュラをだした。
そのデンチュラは私に近付くと同時に逃げていき、クダリだけでなくポケモンにも拒絶されたショックで開いた口がふさがらない。



「やっぱり、ね、なまえ。むしよけスプレー系使ってるでしょ。だから嫌なにおい」

「…あ」



そういえば、4番道路を抜ける際に野生ポケモンに構う暇が無かったためにゴールドスプレーを使ったんだ。
そしてそれはまだ効き目が切れず、デンチュラが逃げ出すわけか。
しかし、ここで一つ疑問がわいた。
むしよけスプレーは人からはにおいがしない様に作られていると、缶の裏に書いてある。あくまでも、ポケモンだけに効くにおいなのだ。
しかし、クダリは分かる様なしゃべり方。



「クダリってさ、鼻良いね」

「そう?」



得意気な顔でエッヘンと言う彼を見ながら、実は中身はポケモンなんじゃないかと思った。



よくきく人
(機械的だし、怪しい)

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中にはギギギアルやらギアルやらがつまってるんだ



20110127



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