幼馴染みの彼女は、スゴく強くて美しかった。



「ふぅ、また負けか」



勝負が終わり、ポケモンをボールに戻す。
ポケモンには悪い事をした。
勝たしてあげたかったのに。



「なまえ、君は強いね」

「そうかな…?」


手持ちのエンブオーを撫でていた手を止めて、僕の瞳を真直ぐ見つめる。
僕は昔からこれが苦手だった。
彼女に僕の弱い部分を見せているようで、どうしようもない気持ちになる。
ハッとして、なまえから目を逸した。



「あ、まただ。チェレン、アナタ私と目を合わせてくれない」



長い睫毛が目に影を作って愁いをみせた。
それを見てドキンッと胸がなる。
僕は、彼女にこんな表情をさせるつもりはないのに。



「……ゴメン、そんなつもりじゃ…」

「いいの、謝らないで」



切なそうに笑う、彼女の顔に目が離せなくて、



「ねぇ、チェレン。私ね、決めたの。Nを探しに行く」



離せなくて。



「やっぱり、Nに会いたい」



僕に彼女を止める権利も、勇気も無かった。
それに、分かっていた。
彼女の、Nに対する気持ちに。
信じたくなかったんだ。
僕は、彼女が好きだから。



好きです。
(たとえ君が僕を好きにならなくても)

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またもや微妙な…。
チェレン→夢主みたいなのやってみたかったんです。


20101202



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