プルルプルル
私を呼ぶ電話の呼び鈴にせかせかとソファから立って電話に出た。



『はい、もしもし』

『ハァ、ハァ、ッあ、もしも』



ガチャ
電話を切り、溜め息を一つはいた。
悪戯電話とは、運の悪い。しかもたちの悪そうな悪戯だ。
プルルプルル
また、電話の音。
多分、また悪戯だろう。
無視する事を決心し、ソファに腰掛けた。
ずっとなる電話、留守番電話になればきれ、またなるという繰り返しに、私は苛立ち、またソファから立ち、



『はいもしもし!いい加減に』

『なまえ…?あ、やっとでた…ハァ、ッなんで切るの…?』



文句を遮る様に聞こえた声は、クダリのものだった。
なぜか息も荒く、苦しそう。



『ゴメン、悪戯だと…』

『そっか、ね、ぼくインフルエンザになった。ゴホッ、看病来て』



ガチャ、ツーツー
私が返事をする前に電話が切れる音が鼓膜を揺らす。こんな事を言われて、無視できるわけも無く……。









ピンポーン
インターホンを押せば、中からカスカスな声ではーいと聞こえた。
開いたドアから覗いた顔は、真っ赤に染まり、額には冷却シートが貼られている。



「あ、来てくれたんだ」

「うん。ね、ノボリは?」

「仕事」



ノボリらしい様な、そうじゃない様な。兎にも角にも彼を看病しに来たわけなのだから、彼には寝てもらおう。
そう思い、彼を押しながらベットへと向かった。



「今日何か食べた?」

「食欲ない」

「ダメだよ、食べなくちゃ」



言えば、クダリは不服そうな顔で私を見る。
お構いなしに、何か作ろうと台所に向かおうとした。



「まって、一人ヤダ!」



腕を力ずくにひかれ、見事なまでに私はクダリが寝ていたベットに倒れ込んだ。
文句を言おうと、クダリを見れば思った以上に近かった顔に内心焦る。



「そうだ、なまえぼくに添い寝して?ね、いいでしょ」



熱から生理的に潤んだ瞳が私を見つめる。
チクショウ、そんな目で見られたら何も言えないじゃないか。
非常にずるい彼の行動により、私はそのまま彼の添い寝で一晩コースをたどった。



流行のアレ
(結局うつされて寝込む私)

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インフルエンザネタ
皆様気をつけてくださいね!



20110131



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