私は自他共に認める程のドジだ。転ぶのは日常の一部で、悪い時には周りも巻き込む。今日はその悪い時の様で、……。



「本当に、すみません!!」

「いえ、そんなに謝らないでくださいまし」



地上からギアステーションへと続く階段。私は、慎重に降りていた。慎重だったはずなのに、踏み外して、したにいた黒い車掌さんとぶつかり、挙げ句の果てに私は気絶をしてしまったのだ。
迷惑に迷惑を上塗りした様な事故は、謝っても謝り切れないような物で。



「いや、でも……それに腕だって……」



目にうつった手首には痛々しい包帯が巻かれていた。きっと、私をおさえる時に捻ってしまったんだろう。
只でさえ迷惑なのに、怪我まで……、溜め息がまた出た。



「あぁ、大丈夫です。バトルに支障はございません」



彼は言うが、やはり私の気持ちは収まらない。
落ち込む気持ち、何故か泣きそうになった。



「…では、一つだけ手伝っていただきたいものがございます。それで、手の事も全ておあいこ。よろしいでしょうか?」



優しい言葉は、ジワジワ私の胸に染み込んで、涙腺を壊した。
何かが外れた様に涙が流れて、直ぐに止めようと目をこすった。
顔をあげようとした瞬間、視界は黒で生め尽くされ、何が起きたか私の頭では収拾が付かない。



「すみません、少しだけ…」



抱き付かれてると気付いて、私の頭は更に混乱し、何も分からなくなった。
だけど、分かるのは彼の体温が非常に心地良い事、きっと慰めてくれている事。
あぁ、本当に優しい。
私の中で、何かが落ちる音が聞こえた。



落ちたもの
(君に落ちた)

-----------------
ノボリさんは泣かれると困って抱き付いちゃう的な
勿論、妄想さ



20110131



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -