きっと、思うに、恐らく、彼は私が好きだと思う。
違うかもしれない故に、簡単に肯定はできないけれど、スゴく、スゴく遠回しに伝えて来る愛情表現。
それは、少しながらも私の中にインパクトを与え続けており、何しろ私も彼に好意があった。
だから私はスキだらけ、アプローチもしっかり確実にやっている。
なのに、なのに!
「もう!ノボリさん!」
彼を大きめの声で呼べば、少しばかり染めた頬で困ったような顔が振り向いた。
あぁ、分かりやすい。
私が話しかけるだけで内容はどうあれ頬を染めるなんて。
「なんでしょうか、」
少し震えた声は、彼の緊張を形にしていた。
いつも、バトルの時はえげつない程人間味の感じられない彼が、今はこんなにも人間らしい。
ジックリと彼を見つめると、恥ずかしそうに目を逸らしながら、更に頬を朱に染めた。
「私、もう限界です。」
「、はい?」
「いつになれば気付くんですか!」
冒頭でも言ったが、私はアプローチを確実にやっている。
それはもう、誰もが分かるくらい露骨に。
それなのに、彼は全く気がつかないのだ。
目の前の追い詰めた顔を両手で包む。
「ッ、」
「私、ノボリさんに好意があります。好きなんです」
「え、」
彼にしては少々間抜けなその声。
顔は更に赤くなり、文字通り真っ赤だ。
あぁ、そんなあなたも好きですよ。
意気地有り(さぁ、早く、分かりきった返事を)
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勿論、OKですよね。
「ふつつか者ですが、よろしく、お願いします」
ってノボリさんに言ってほしい。
20101220