「はう…可愛いよエモちゃんチラちゃんッ…!」



頬を真っ赤にしたなまえは二匹のポケモンを見つめながら悶えていた。
その光景を静かに見つめるわたくし。
キャー等と悲鳴にも似た声を上げながらその二匹のポケモンを抱き締めている様子のなまえ。
溜め息が零れる。



「なまえ、わたくしを放って置くのですか。なまえ、」

「なんでそんなに可愛いのォ!」



わたくしの問い掛けは見事なまでに被ったなまえの声により消え去っていく。
今日はわたくしとなまえのなかなか合わない休日がやっと合い、わたくしの脳内ではこの休日でなまえとの愛をさらに深める予定だった。
しかし、現実に目をやればなまえはポケモンとの愛を深めている様子。
このままでは、折角の休日が水の泡。
ならば、わたくし意地でもなまえとの愛を深めたい所存なのだが。
スク、と立ち上がりなまえのポケモン、エモンガチラーミの首根っこ掴み
ガチャ、ポイッ、バタン。
と、ドアの向こうに放り投げた。



「え、ちょ、ノボリ!?何やって、」

「なまえ、わたくし少々怒っております」



グッと近付けた顔。
わたくしを凝視したまま固まる目の前のなまえの瞳には、わたくしの表情のない顔が写っていた。



「わたくし達はこの様な休日は実に少ないのでございます」

「えぇ、まぁ、…」

「この数少ない休日。わたくしはなまえと愛し合いたいのでございますが」



そういえば、頬は先ほどとは少し違う種類であろう赤に染まり、恥ずかしそうにクルクルと目が泳ぐ。
そんななまえをお構いなしに話を続ける。



「なまえは先ほどからポケモンばかり構っていてわたくしを放って置くでは、御座いませんか」

「え、と、?」

「今日、出会ってから今1時間23分が立ちました。さぁ、このロスタイムをいまからうめていきましょう」

「え、…ま、ひゃ!」



ガバッと、なまえを組み敷く。
そのまま、暗転。



愛でること
(貴女様を愛でることでわたくしは幸せになれます)

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ラブラブ、?
えぇ、ポケモンに嫉妬してるっぽいですね。


20101213



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